〈10/6~12 Event Report〉OCEAN & BEYOND

2025大阪・関西万博最後の1週間となる10月6日(月)~12日(日)は、「海とその先」をテーマに、ブルーシーフードガイドの普及活動などを行う一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局が、国境と業界を超えた海洋のトップリーダーを招き、豊かな海を未来の世代へつなぐためのイベントやトークセッションを開催しました。

オープニング Ocean & Beyond

10月6日(月)は、「OCEAN & BEYOND」のオープニングイベントとして、特別ゲストをお招きしてトークセッションを行いました。最初は一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局理事長兼CEOの井植 美奈子氏と、安倍 昭恵氏のスペシャル対談を開催。総理夫人として過去に参加した海洋問題のイベントを振り返りながら、海や平和に対する思いを語りました。

続いて「日本を良くするG1から世界の海へ」をテーマにトークセッションを行いました。グロービス経営大学院学長 グロービス・キャピタル・パートナーズ代表パートナーの堀 義人氏がモデレーターを務め、俳優の辰巳 琢郎氏、公益財団法人笹川平和財団理事長 角南 篤氏、井植氏、昭恵氏がセッションに参加し、G1海洋環境研究会の活動について議論を交わしました。他にも「辰巳琢郎の食いしん坊!万歳 ブルーシーフード編」、「角南篤の世界の海の果てまでイッテQ」といったプログラムを用意し、海についての知識を深める機会を創出しました。

インターナショナルday

10月7日(火)は、一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局理事長兼CEOの井植 美奈子氏がモデレーターを務め、元ポルトガル海洋大臣でNOVA School of Law准教授のアスンサオ・クリスタス氏、米国の海洋NGO「OCEANA」のキャンペーンディレクター兼シニアサイエンティストのマックス・バレンティン氏、シーフードレガシー創立者兼CEOの花岡 和佳男氏と、対談及びトークセッションを行いました。ポルトガルやアメリカが直面する海洋問題、日本の水産業の課題についてや、IUU(違法・無報告・無規制)漁業対策についての議論を交わし、あらゆる人が海に関心を持ち、課題を解決していくことが必要であると伝えました。

ブルーシーフードday

10月8日(水)は、ブルーシーフード・パートナーによる持続可能な水産資源の取り組みの紹介を行いました。ブルーシーフードとは、セイラーズフォーザシー日本支局が科学的根拠に基づいてリストにしているサステナブルな水産物のことで、ブルーシーフードパートナーは、この理念に賛同した約80社の企業のことです。本イベントでは、新潟県佐渡島で島産素材を扱う飲食店「しまふうみ」のチームによる持続可能性の取り組みの紹介と、創業約120年の歴史を持つ「大森海岸 松乃鮨」による寿司屋ならではの独自の取り組みの紹介を行いました。

また、イベントの後半ではSMBC日興証券とマニュライフ・インベストメント・マネジメント株式会社による海洋安全保障についての講演とトークセッションも行い、「ブルーエコノミー」や「サステナブルファイナンス」についての分析を発表しました。

中高生ブルーシーフードday

10月9日(木)は、ブルーシーフード・パートナーである山崎学園富士見中学校高等学校の現役学生が、ブルーシーフードの研究発表を行いました。発表は3部門に分けて行われ、『学術探究』の部門では「海洋保全とブルーシーフード」「持続可能な漁業と認証制度」というテーマについて、『課題探究』の部門では「おいしい未来を生きるために ~東京都のブルーシーフードへの取り組み~」「未利用魚の活用」「持続可能なレストラン選び」「魚を食べる! その一皿が未来を変える」というテーマについて、『実践探究』では中高生が考えたブルーシーフードを利用した食事メニューについて、発表を行いました。

また会場では、イベントで発表しきれなかった学生が考案したメニューを見ることができるQRコードを配布しました。

大使館・地方自治体day

10月10日(金)は、一般社団法人セイラーズフォーザシー日本支局がイギリス大使館と協働で開発した、持続可能なイギリスおすすめのシーフードを掲載する「ブルーシーフードガイド英国版」の発表と、カナダの持続可能な水産業の取り組みについて紹介するスペシャル対談を開催しました。

また最後には、セイラーズフォーザシー日本支局が協定を結んでいる東京都、京都府、葉山町の代表者をお招きし、それぞれの自治体の取り組みの紹介や、代表者同士によるトークセッションを開催しました。国内外のブルーシーフードに関する事例を幅広く紹介することで、持続可能な水産物に対する知見が深められる一日となりました。

若手国際リーダーday

10月11日(土)は、G7/G20の公式ユース団体である「G7/G20 Youth Japan」から世界各国で活躍する若手リーダーが集結し、活動の紹介を行いつつ、「Y7 2025 Canadaサミット」の報告会を行いました。サミットでは、自然には分解されないマイクロプラスチックの廃止に向けた戦略策定などが行われたことなどを紹介しました。

また、ゲストとして国民民主党代表 玉木 雄一郎氏、Forsea Foods アジア事業開発責任者 杉崎 麻友氏、兵庫県芦屋市長 髙島 崚輔氏を招いてスペシャル対談を実施し、「海洋」をメインテーマとしつつ、それぞれの立場から日本の未来についての思いを語っていただきました。

グランドフィナーレ Ocean & Beyond

10月12日(日)は、「海のドリームチーム」というべき、海洋に関する世界のトップリーダーを招き、豊かな海を未来の世代へとつないでいくためのトークセッションを開催しました。4時間にわたった講演では、アメリカのセイラーズフォーザシーの創設者で、日本支局の名誉会長でもあるデイビッド・ロックフェラー Jr.ご夫妻によるビデオメッセージ公開に始まり、セイラーズフォーザシー日本支局理事長 井植氏と、世界のトップリーダーのインタビューを実施。オレゴン州立大学特別教授で、元米国商務省海洋大気庁(NOAA)長官、オバマ大統領初代科学チームを歴任したジェーン・ルブチェンコ氏、World Ocean Summit創設者でEconomist Impact エディトリアルダイレクターのチャールズ・ゴダード氏、東京大学大気海洋研究所教授で笹川平和財団海洋政策研究所所長の牧野 光琢氏、東京大学教授ならびに慶應義塾大学特任教授の鈴木 寛氏、公益財団法人笹川平和財団理事長 角南 篤氏とそれぞれ特別な対談を行いました。

続いて、対談を行った登壇者によるハイレベルディスカッションを開催し、海を守り発展させていくためには「オポチュニティ」がキーワードで、ソーシャルビジネスの仕組みを作ることが大切だと意見を交わしました。

最後は、参議院議員で元法務大臣の森 まさこ氏、華道家元池坊次期家元で2025年日本国際博覧会協会副会長・理事・シニアアドバイザーの池坊 専好氏からメッセージをいただき、BLUE OCEAN DOME名誉会長でZERI JAPAN理事長の更家悠介と、井植氏によるクロージングの挨拶を行って、約半年にわたって続いたBLUE OCEAN DOMEのイベントは盛況のうちに幕を閉じました。


▼イベントの模様はYouTube〈BLUE OCEAN DOME 公式チャンネル〉で公開中です。ぜひご覧ください。

【#149】オープニング Ocean & Beyond(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)

【#150】インターナショナルday(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)

【#151】ブルーシーフードday(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)

【#152】中高生ブルーシーフードday(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)

【#153】大使館・地方自治体day(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)

【#154】若手国際リーダーday(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)

【#155】グランドフィナーレ Ocean & Beyond(ZERI JAPAN/Sailors for the Sea Japan)