BOD Professionals①〜TOPPAN株式会社バーチャルチーム〜

楽しみながら海の課題に触れる
バーチャルパビリオンを開発

万博をバーチャル空間で同時開催するという、初の試みにチャレンジしている2025大阪・関西万博。そのプロジェクトの中で、BLUE OCEAN DOMEのバーチャルパビリオン開発を担当しているのが、TOPPAN株式会社のバーチャルチーム。万博側のアプリ制作と同時進行の作業だったことから、試行錯誤を繰り返しながら開発は進んでいきました。
BLUE OCEAN DOMEを裏側で支える人たちの想いをインタビューする「BOD Professionals」。初回は、TOPPAN株式会社のバーチャルチームに、制作段階の苦労点やバーチャル空間の見どころなどを語ってもらいました。

世界中から多くの人が参加できる空間を提供する
万博で初の試みとなるバーチャルパビリオンを開発

バーチャルパビリオンの開発がスタートしたのは、2023年の秋頃。バーチャル空間に訪れるであろう若い世代が、海に関心を持って海が抱える課題に楽しく触れることがミッションでした。リアルではできないバーチャルならではの表現をしたい。その考えから、ユーザーが行動を起こすことによって情報が得られるインタラクティブな空間を意識しながら作業。プラットフォーム自体がまだ出来ていない中で、実際にどのような表現が可能なのか手探りで作り上げていかなければならない点が大変でした。日本で開催される万博にクリエイターとして関われることは、おそらく最後になると思います。大変な作業が続く中でも、世界中から参加できるバーチャル空間を提供するということをモチベーションに、チーム一丸となって取り組みました。

浜辺・海中・パブリックビューイングの3つの部屋を通して
ゲーム感覚で楽しみながら海洋問題に触れられる

バーチャルパビリオンでは、3つの部屋が使用できます。その3つをどのように表現して、どういった動線で海洋問題に触れてもらうのか試行錯誤しました。海洋ゴミの問題は、海の中だけではなく、普段の生活の中で出したゴミが海に流れているとことを伝えたい。そう考えて、1つ目の部屋は浜辺のシーンから始まります。そこから海ガメに導かれるように海の中に入るのが2つ目の部屋。最後の部屋は、リアルに会場で開催される催事と繋げるパブリックビューイングの部屋になります。

浜辺のシーンでは、海や空が綺麗な空間に見えますが、ゴミが落ちている違和感を感じてもらえると思います。その違和感をきっかけに、海の問題に触れてもらいたいです。また、バーチャル空間をゲーム感覚で楽しんでもらえるのもこだわったポイント。海の中では海ガメが様々な海洋問題について教えてくれるんですが、その後ろでプラスチックに絡まった海洋生物がいたりなど、バーチャル空間に入る度に海洋生物の動きがランダムで変化するので、何度か訪れて違いを発見してもらうのも楽しいと思います。

バーチャル空間を通じて世界中の人たちとコミュニケーションを
万博初のプロジェクトに関われたことはクリエイターとして誇り

いよいよ開催が近づいてきていますが、実際にどれくらいの人がバーチャル空間に訪れてくれるのか、期待と不安でいっぱいですね。会場とバーチャル空間との同時開催というのは、万博では初になります。この取り組みが成功して、次回以降他国で開催される万博でも採用されたとしたら、その初回に関われたことはクリエイターとして誇りになるプロジェクトです。

まずは、バーチャル空間で気軽に万博に触れていただき、リアルに会場を訪れよう思ってもらえるきっかけになれば嬉しいですね。バーチャル空間なので、時間を気にせずいつでも訪れることができますし、アプリには言語翻訳が入ったチャット機能も搭載されているので、世界中の様々な人たちとコミュニケーションを取ることが可能。昼間は万博会場にリアルに訪れていただいて、夜はバーチャルパビリオンを楽しんでください。