〈8/25〜8/31 Event Report〉UNESCO-IOC×海洋教育:OCEAN LITERACY

8月25日(月)〜31日(日)の7日間は、「国連海洋科学の10年」で提唱されている『7つの「わたしたちの求める海」』をテーマに、親子のお客様を対象として、ゲームやクイズ、工作などが楽しめる講演やワークショップを開催しました。

きれいな海 – 海のごみ問題や水の循環について学ぼう! – by 海遊館

8月25日(月)の前半は、海洋リテラシーと海のゴミ問題について学ぶワークショップを開催しました。海遊館の飼育員である井上 智子氏が講師を務め、ウミガメがビニール袋を、ジンベエザメがプラスチック製のくしをそれぞれ誤って食べてしまった実例を紹介して、海洋ゴミ問題に対する意識付けを行いました。

ワークショップの後半は、よりインタラクティブなワークショップとして、海遊館で生まれたアオリイカやミズクラゲの赤ちゃん、ジンベエザメの歯などの実物を展示し、子どもたちが海の生きものと触れ合う機会を提供しました。

きれいな海 – 海のごみ問題や水の循環について学ぼう! – by NPO法人黒潮実感センター

8月25日(月)の後半は、NPO法人黒潮実感センター理事長 神田 優氏による、高知県の西南端にある柏島に関するワークショップを行いました。柏島の海は透明度が非常に高くダイビングの名所となっている一方で、海洋ゴミの増加により、一見きれいに見える海岸にも海洋生物にとって危険なマイクロプラスチックが含まれていると解説しました。

ワークショップの最後には、柏島から持参した砂に水を注ぎ、マイクロプラスチックが浮かび上がってくる様子を子どもたちに実演し、海洋ゴミ問題の現状を訴えました。

健全で回復力のある海 – 海の生き物とくらしのひみつに せまろう! – byNPO法人黒潮実感センター

8月26日(火)の前半は、前日に引き続きNPO法人黒潮実感センター理事長 神田氏によるワークショップを行いました。「健全で回復力のある海」というテーマに沿って、「海の森づくり」の活動について解説。海藻の森が消えていく「磯焼け」を解決するために、ヒノキの枝を使ったアオリイカの産卵床づくりや、海藻の「テングサ」から作られる「ところてん」の増産プロジェクトを柏島で行っていることを紹介しました。

健全で回復力のある海 – 海の生き物とくらしのひみつに せまろう! – by 海遊館

8月26日(火)の後半は、海遊館の飼育員 井上氏が昨日に引き続き登壇し、「ジンベエザメが教えてくれた海のおはなし」というテーマでワークショップを行いました。井上氏は、海遊館で2匹のジンベエザメを飼育していることに触れ、ジンベエザメがオキアミやイサザアミといった小さなプランクトンを食べることや、エサやりを通して健康チェックを行っていることを解説しました。

ワークショップの中盤には、実際に大阪湾にいるプランクトンを間近で見られる時間を設け、参加した子どもたちに海の生き物について考える機会を提供しました。

万人に開かれた海 – 海洋観測って? センサーやデータを使ってみよう! – byJAMSTEC

8月27日(水)は「万人に開かれた海」を主題として、海洋観測の概要やその役割について前後半に分けて講演を行いました。前半は、内閣府総合海洋政策推進事務局 技術参与 角田 智彦氏が登壇し、気候変動と海洋学について解説。水槽を使った対流に関する実験を交えながら、気候変動が海にもたらす影響などを伝えました。

後半は、海洋研究開発機構 副主任研究員 西川 悠氏が登壇し、海底火山噴火による海洋資源へのダメージについて解説したほか、それらの研究や海洋データの活用についても紹介しました。

予測できる海 – 10秒先から100年先まで!? 海の未来をのぞいてみよう! –by J-DESC・JAMSTEC

8月28日(木)は「予測できる海」をテーマに、過去の環境を調べることが未来の海を予測するために役立つという視点で講演を行いました。講演では、南極の極域探査についてや、海底の泥から過去の気候パターンを調べる研究、掘削船「ちきゅう」による南海トラフ地震の観測活動についてなどを紹介しました。

講演の最後には、掘削船「ちきゅう」の船上とオンラインでつなぎ、船内見学ツアーを開催。観客の皆様に臨場感ある船内体験をしていただきました。

安全な海 – 地震や津波はなぜ起こるの? 海の災害と防災について楽しく学ぼう! – by J-DESC・JAMSTEC

8月29日(金)は「安全な海」をテーマに講演を行いました。講演では、「地震や津波がなぜ発生するのか」や「海底火山の噴火が及ぼす影響や噴火の予測」、「南海トラフ地震の発生を予測するために行っている調査」などについて紹介し、参加者の防災についての意識向上を図りました。また、講演の最後には、前日に引き続き掘削船「ちきゅう」とオンラインで結び、船内の様子を公開しました。

夢のある魅力的な海 – 海をみんなで理解し、大切にしよう! – by 東京大学大気海洋研究所

8月31日(日)は「夢のある魅力的な海」をテーマにワークショップを開催しました。子どもたちが海について楽しく学べるように、「アオリイカ」をワークショップの題材に採用し、イカがエサを食べる様子を再現した「イカキャッチャー」の工作を行いながら、東京大学大気海洋研究所の専門家がアオリイカの生態を詳しく紹介しました。

また、地球温暖化に言及して、地球の環境が変わるとアオリイカを含む海の生き物の暮らしも変化してしまうことを伝え、子どもたちが未来の海について考えるきっかけを創出しました。

▼イベントの模様はYouTube〈BLUE OCEAN DOME 公式チャンネル〉で公開中です。ぜひご覧ください。

【#105】きれいな海 – 海のごみ問題や水の循環について学ぼう! – by 海遊館(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所)

【#106】きれいな海 – 海のごみ問題や水の循環について学ぼう! – by NPO法人黒潮実感センター(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所)

【#107】健全で回復力のある海 – 海の生き物とくらしのひみつにせまろう!– by NPO法人黒潮実感センター(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団海洋政策研究所)

【#108】健全で回復力のある海 – 海の生き物とくらしのひみつにせまろう!– by 海遊館(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所)

【#110】万人に開かれた海 – 海洋観測って? センサーやデータを使ってみよう! – by JAMSTEC(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研

究所)

【#112】予測できる海 – 10秒先から100年先まで!? – by J-DESC・JAMSTEC(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所)

【#113】安全な海 – 地震や津波はなぜ起こるの? – by J-DESC・JAMSTEC(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所)

【#114】夢のある魅力的な海 – 海をみんなで理解し、大切にしよう! – by東京大学 大気海洋研究所(ZERI JAPAN/公益財団法人 笹川平和財団 海洋政策研究所)