ZERI JAPAN第17期にあたり 理事長より

ご挨拶

ZERI JAPAN理事長

更家 悠介

 われわれ人類は、地球環境が人間に与えてくれる恩恵を忘れ、地球環境を持続的に維持できる許容量以上に資源を消費しています。そしてこの負荷を、未来の人間や子供たちが背負っていることも忘れています。ZERI Japanは、自然にならうことを原則にして、産業とその連関を考え、持続可能に産業連関をデザイン(設計)し、物質やエネルギーの消費がトータルゼロになるべく、1994年から運動を続けています。近年は、アジア生産性機構の主催するアジアエコデザイン展にも積極的に参加し、この考え方を広げる努力も続けております。

 さて近年、マグロばかりでなく、鰹やイカが取れないと嘆く漁業関係者の話をよく聞くようになりました。アジアにおいては、インドネシア、フィリピン、台湾、韓国、中国など、多くの国々で漁業の資本装備率が上がり、立派な漁船団ができ、魚を昔に比してたくさん取るようになってきています。また、地球上の多くの人々が魚を食べるようになり、既にオーバーフィシングとなり漁業資源の枯渇が懸念されています。そこで、持続的な漁業によって問題解決をはかるため、日本の養殖漁業は有用です。ZERIでは、これからコールドチェーンの普及と共に、この分野の研究を推進することを考えております。

 持続可能なパーム油・RSPO認証油の活用と生物多様性の保護については、継続してパーム産業の高度化や付加価値向上と共に、セミナーの開催や情報発信を通じて啓蒙活動を続けて行きます。

 また当会の顧問、グンター・パウリ博士は、子供の科学・環境教育に200以上の寓話をつくり、出版や電子配信など、世界中で普及活動をしていますが、当会もこの普及に協力したいと考えております。

 更に、近年消費者庁では倫理的消費を訴えており、2016年7月には消費者庁主催で、倫理的消費の普及啓発シンポジウム「エシカル・ラボ」が徳島県で開催されました。当会はこれにも参加して、倫理的消費とZERIの関係を訴えました。倫理的消費とは例えば、

 1.環境に配慮する。
 (世界的に、どこのだれが作って、どう流通し、どう消費されるのか?) 

 2.科学技術の発展と消費を見直す。
 (抗生物質、成長ホルモン、遺伝子組み換え、安心と安全) 

 3.社会問題の解決の手段として、消費者も参加できる。
 
(貧困、不平等、環境問題 などの解決)

 などの内容が挙げられますが、当会は今後もこの倫理的消費普及活動に積極的に参加し、サプライチェーンの新しい関係の構築とZERIの推進に努力してまいります。

  このように、ZERIは積極的に種々の運動を推進しております。関係各位の変わらぬご支援、ご協力をよろしくお願いいたします。