その端っこにも用がある

物事を理解するには要点を押さえることが大事。でも問題なのは、どこからどこまでを見てその要点を決めるのか。そんなことを改めて気付かされました。

1月10日に東京大学と海洋研究開発機構の研究グループの発表がありました。

過去20年にわたる全大気再解析データの作成に成功
宇宙の下端までカバーする世界初の大気再解析データ「JAWARA」を公開
(東京大学、2025年1月10日)

「全大気」という言葉はあまり馴染みがありませんが、地上から高度110km(宇宙の下端)までのことを指すんですね。これまでは高度50~100kmの中間圏・下部熱圏は研究が困難な領域とされてきたけれども、画期的なデータセットJAWARA(ヤワラ)を作成してこの領域の解析ができるようになったそうです。柔の道の「ヤワラ」を思わせる、ちょっといいネーミングですね。

考えたこともありませんでしたが、そんなはるか上空の動きも知る必要があるんですね。この研究によって「冬、極域に発生する成層圏突然昇温の後に下部熱圏から上部成層圏へ伝播する気温異常」を明確に再現できたり、「北半球高緯度域における夏の上昇流や冬の下降流など既知の大気循環パターン」を高精度で求めることに成功したりしています。また、大気が電離圏に及ぼす影響、太陽フレアが大気に与える影響などの解析が可能になります。

こういう話を読むと、なんだか自分の脳のシワが増えそうで、面白いですね。

さて、運輸総合研究所の主催で交通に関する脱炭素のシンポジウムが開催されるのでご案内します。

名称: 交通脱炭素シンポジウムIV~利用者と歩む交通産業のカーボンニュートラル~
日時: 2025年4月21日(月)14:00~17:00 
会場: ベルサール御成門駅前/オンライン 
主催: 一般財団法人運輸総合研究所
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

【開会挨拶】
宿利 正史  運輸総合研究所 会長

【基調講演】
「脱炭素化に向けた最新の政府動向と運輸の位置づけ」
山内 弘隆  武蔵野大学 特任教授・一橋大学 名誉教授
       運輸総合研究所 研究アドバイザー

【研究報告】
「交通産業GXロードマップに関する調査研究」
谷口 正信  運輸総合研究所 研究員

【パネルディスカッション】
(モデレーター)
山内 弘隆  武蔵野大学 特任教授・一橋大学 名誉教授
       運輸総合研究所 研究アドバイザー
(パネリスト)
亀山 和哉   日本航空株式会社 ESG推進部長
小島 浩嗣   DHLジャパン株式会社 セールス&マーケティング本部 営業企画部長
森  正子   味の素株式会社 食品事業本部 物流企画部長
和田 雅彦   株式会社日本政策投資銀行 都市開発部長
清水 充    国土交通省総合政策局 環境政策課長
柴山 多佳児  運輸総合研究所客員研究員 ウィーン工科大学交通研究所上席研究員

【閉会挨拶】
上原 淳  運輸総合研究所 理事長

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