2月6日に発表された論文「消えゆく風景:+2.7°Cの地球温暖化における北極圏」で、マニトバ大学地球観測科学センターのジュリエンヌ・ストローブ教授が北極の風景が激変し、その影響が広範囲に及ぶことを予測しています。
National Snow and Ice Data Center: An Arctic ‘beyond recognition’ by 2100 (2025年2月6日)
現在各国が掲げている温室効果ガス排出削減の誓約に基づくと、今世紀末までに世界の気温は産業革命前より2.7度上昇すると予測されています。
地球全体の4倍の速さで北極圏の気温は上昇していると言われている中、2.7度の上昇により、夏には海氷がなくなり、グリーンランドの氷床の融解が加速し、永久凍土が広範囲で消失することが予想されます。永久凍土の消失には大量の温暖化ガスの排出が伴いますから、温暖化の加速にもつながります。その結果、インフラや生態系、人々の健康、コミュニティのあり方、野生動物に壊滅的な影響を与えるとしています。
昨年11月20日から今年1月18日にかけて国立極地研究所で行われた展示「変わりゆく永久凍土の世界」のレポートが公開されましたのでご案内します。永久凍土が広がる地域で具体的にどんな変化が起こっているのかを垣間見ることができます。
名称: 第4回企画展示「変わりゆく永久凍土の世界」レポート
開催日: 2024年11月20日~2025年1月18日
主催: 国立極地研究所
主な内容:下記HPより抜粋
「永久凍土」と聞いて何を思い浮かべるだろう。永久に凍っている土地、雪と氷の世界、マンモスが埋まっている土地……。現在、急激な地球温暖化により、永久凍土とそこに暮らす人々の生活に深刻な影響が出ている。本企画展示「変わりゆく永久凍土の世界」は、永久凍土が広がる東シベリアに20年以上通い続けてきた研究者が、現地の急激な環境変化と人間社会のへの影響を貴重な写真と映像を交えて紹介したものである。
詳しくはこちらをご覧ください。