「フジツボ」と浅からぬ縁があります。小学生の頃、海で溺れそうになったことがありました。海水浴をしていたらいつの間にか足が立たないところまで行ってしまい、大きな波のせいで思うように岸にもどれなくなったのです。これはまずいと思いましたが、岸に向かって右横方向に黒い岩が並んでいるのに気づき、そちらに泳いで行って岩にしがみつきました。そのまましばらく休んでまた岸に向かって泳ぎ始めて、なんとか無事に辿り着きました。水から上がってみたら、
体中に細かい擦り傷が無数にありました。岩に付いていたフジツボのせいでした。
このフジツボ、気をつけないと船の底にも付着してしまうそうで、そうなると水の抵抗が増えるため、ひどい時には燃費が4割も悪化するそうです。燃費が悪いということはそれだけCO2の排出量も増えますよね。いまは船底に防汚剤を塗ってフジツボなどの付着を防いでいるのですが、防汚剤には弱いながらも毒性があるため、海洋生物への影響が懸念されます。
しかし今年1月に北海道大学と電力中央研究所の研究グループが、フジツボの付着を阻害しつつも環境にやさしいペプチドを開発したと発表しました。
フジツボ付着を阻害する低分子ペプチドの開発に成功~環境にやさしい船底付着阻害剤の開発への貢献に期待~(地球環境科学研究院 准教授 梅澤大樹)(北海道大学、2025年1月23日)
軟体動物のアメフラシが分泌するペプチド「ドラスタチン16」という物質がフジツボの付着を抑えていることに着想を得たものです。フジツボへの毒性も低いため、寄せつけないようにはするけどやっつけるわけでないという物質で、興味深いです。
とくに「あのとき、フジツボがあったからこそ岩にしがみつけたのではないかな…」と考えると、実に個人的な感想ですが、やはりこうしたフジツボにやさしい防汚剤ができるのはいいことだなぁと感じます。それにしても、アメフラシってすごいものを持っているんですね。
さて、株式会社エネルギーソリューションジャパンの主催で、工場・事業場における先導的な脱炭素化取組推進事業(SHIFT事業)に関するセミナーが開催されるのでご案内します。
名称: 中小企業のための環境省SHIFT事業徹底活用セミナー
日時: 2025年4月7日(月)15:40~17:00
会場: オンライン
主催: 株式会社エネルギーソリューションジャパン
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
講師:坂田卓也 (株)エネルギーソリューションジャパン 取締役経営管理部長
・令和6年度補正予算からの変更点など、公募説明会後の最新情報
・SHIFT事業の進め方(見える化、ロードマップ策定など)
・スケジュールと手続きについて(申請時の注意点など)
・ESJのサポートサービス内容
・SHIFT事業のサポート事例紹介
・エネルギー診断の活用とその後の進め方(SBTや補助金活用)
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