3月半ばも過ぎました。暦の上ではもうとっくに春なんですが、冷たい空っ風が吹くと顔が冷たくてたまりません。でも、そもそもこれはシベリアからやってくる風なので、シベリアに住んでる人たちはもっと寒いんだろうなと思うと、これくらいは我慢しなきゃな、なんて自分に言い聞かせています。
ところで、この3月があまり暖かくなると、宇治茶の一番茶の品質にはよろしくないようです。3月が異常に暖かくなった2021年には、お茶の新芽の萌芽が早まり、その後の4月上旬の低温で凍結したり霜にやられたりする凍霜害(とうそうがい)が起こり、深刻な被害が起きました。
これをきっかけに総合地球環境学研究所などが過去35年について共同調査を行ったところ、2000年ごろから「暖かい3月」と「冷たい4月」の組み合わせが多くなっており、凍霜害の頻度も増加していることが分かりました。
「進行する地球温暖化は春の一番茶の凍霜害を増加させる?!~過去35年間の宇治地域の凍霜害の実態と気候変動の影響を調査・分析~」(総合地球環境学研究所、2025年1月16日)
この時期になると時々「もう春なんだから暖かくなってくれよ~」なんて無邪気に思っていましたが、こんなことを知ってしまい、感じ方が変わりました。農業と気候変動は、実に密接に関係しているんですね。
さて、ネイチャーポジティブをテーマにしたイベントが開催されるのでご案内します。
名称: S-21プロジェクト 公開イベント
「ネイチャーポジティブの実現に向けて:生物多様性の回復と持続可能な未来への挑戦」
日時: 2025年3月27日(木)14:00~17:00
会場: 新橋ビジネスフォーラム/オンライン
主催: 環境研究総合推進費S-21「生物多様性と社会経済的要因の統合評価モデルの構築と社会適用に
関する研究」プロジェクト
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋 (日英同時通訳付き)
開会挨拶 齊藤 修 IGES 生物多様性と森林領域 上席研究員
「ニュージーランドの環境指標の多様化による自然重視の道筋の推進」
キャロリン・ランドクイスト 国立水・大気研究所(NIWA)
「意思決定のために将来シナリオを活用する際に不確実性を扱う」
ポール・リードリー パリ・サクレー大学 / 生物多様性・生態学・進化研究所(IDEEV)
「よりよい人と自然の関係を想像する」
ギャリー・ピーターソン ストックホルム大学・ストックホルムレジリエンスセンター
「多様な文脈での予測的ガバナンス向上のためのネイチャーフューチャーズフレームワークの実践」
ローラ・ペレイラ グローバルチェンジ研究所、ウィットウォータースランド大学 /
ストックホルムレジリエンスセンター、ストックホルム大学
パネルディスカッション
閉会の挨拶 鈴木 渉 環境省自然環境局 生物多様性戦略推進室長
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