次世代型の地熱発電に”EGS”というものがあります。Enhanced/ Engineered Geothermal Systemの略で、「地熱増産システム」です。これまでの地熱発電は、もとから地下にある水蒸気や熱水を利用してタービンを回していましたが、EGSではそこに熱水がなくても、高温の岩体がありさえすればよいというものです。そうなると、地熱発電の敷居が下がるというか、導入できる地域の条件が広がることになりますよね。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の下記資料(p.13)を見ると、高温の岩体を破砕してそこに水を流し込み、そこから生じる熱水や蒸気を利用する「高温岩体発電」。地下に配管し、そこに水を注入して蒸気を発生させて発電する「Uループ方式」があります。
「これからの再生可能エネルギー:地熱発電」(三菱マテリアル)
https://www.nedo.go.jp/content/100979640.pdf
米国のスタートアップ、ファーボ・エナジー(Fervo Energy)では、頁岩層(シェール)の掘削技術を応用して垂直に3,000メートル、水平に1,500メートル掘ることができ、従来よりも深いところにある熱源を利用することができます。もともと石油や天然ガスを掘るための技術が、地熱発電の可能性を広げているかっこうになっていて、ちょっと面白いですよね。
さて、広島大学の主催で、地熱発電に関するセミナーが行われるのでご案内します。
名称: 第10回地中熱セミナー(第154回広大ACEセミナー)
日時: 2025年3月21日(金)16:20〜17:50
会場: オンライン
主催: 広島大学 エネルギー超高度利用研究拠点
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
挨拶 広島大学大学院先進理工系科学研究科 教授 松村 幸彦
解説 広島大学大学院先進理工系科学研究科 准教授 金田一 清香
講演「産総研がすすめる地中熱社会実装研究と熱利用連合体形成」
国立研究開発法人産業技術総合研究所 再生可能エネルギー研究センター
地中熱チーム 研究チーム長 冨樫 聡
司会 広島大学大学院先進理工系科学研究科 准教授 金田一 清香
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