2050年 36,000km上空で発電なるか

12月3日から6日にかけて長野県の霧ヶ峰高原で、未来に向けたある実験が行われました。5~7km航空機から地上の受信装置に向けて送電する、というものです。実験は見事成功しました。これは一般財団法人宇宙システム開発利用推進機構が行ったもので、宇宙太陽光発電システム(Space Solar Power System, SSPS)の実現に向けた実証実験でした。

長距離無線送電実証実験(飛行実験)に成功(2024年12月13日)

2025年度には宇宙空間で実験を行う予定になっていて、その時は数百km上空からの送電を試みるそうです。将来的には36,000km上空で発電した電気を地上に送ることを目指しています。宇宙空間では地上に比べて10倍の効率で発電できるため、非常に期待されている技術です。なんと、2050年には実用化する計画です。上記のページからたどれる資料の中に、この技術は「夢物語やSFの世界のものではなく、一般に思われているよりも、近い将来に実現しうるものとなってきた」と書かれています。いやあ、シビれますね。2050年まで生きて、「ついに実現!」というニュースを是非とも聞きたいですよね。

SSPSに関するJAXAの資料を見たら、解決すべき様々な課題のひとつとして、「廃棄・再利用」のことにも触れられていました。凡人が居酒屋で議論すると「いやもうさ、面倒くさいからさ、老朽化したら宇宙の彼方に向けて飛ばしてしまおうよ」という結論になってしまうかもしれませんが、できればもっと何かこう、胸を張って言える解決策が出てくるといいですね。

さて、「カーボンニュートラルに向けてのエネルギー安全保障と世界の原子力開発の動向」というテーマのシンポジウムが開催されるのでご案内します。

名称: 環境・エネルギーシンポジウム
カーボンニュートラルに向けてのエネルギー安全保障と世界の原子力開発の動向

日時: 2024年12月23日(月)13:30~16:50 
会場: 帝京大学 
共催: 帝京大学、一般社団法人日本原子力産業協会 
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

開会挨拶
帝京大学理事長・学長冲永佳史

講演1「脱炭素時代の日本など主要国のエネルギーと原子力の開発動向」
(一社)日本原子力産業協会 地域交流部 調査役
喜多 智彦

講演2「日本のエネルギー・電力安全保障とCCUSに伴う石炭火力について」
帝京大学 先端総合研究機構 教授
田沼 唯士

講演3「脱炭素移行期の中国のエネルギー安全保障と原子力開発の現状・特徴」
帝京大学 冲永総合研究所 特任教授 
郭 四志

講演4「日本における高レベル放射性廃棄物の地層処分の現状と今後の原子力発電の課題」
(一社)日本原子力産業協会 地域交流部 技術顧問 
武田精悦

閉会挨拶
(一社)日本原子力産業協会 理事長 
増井秀企

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