気候変動 10の重要なメッセージ(2024/25)

毎年、気候変動枠組条約締約国会議に合わせて、「気候変動について今伝えたい、10の重要なメッセージ」(The 10 New Insights in Climate Science)が公表されています。

最新の研究を含む科学的知見をまとめた報告書で、Future Earth、The Earth League、World Climate Research Programme (世界気候研究計画)が共同で作成しています。今年は45カ国の80人の研究者が執筆に参加しました。

10 New Insights in Climate Science

今年はどんなメッセージが書かれているのでしょうか?以下に簡単に書いてみます。

1. メタン濃度が急上昇しています。排出削減のための強制力のある政策が不可欠です。

2. エアロゾルと気候の複雑な相互作用を考慮すると、大気汚染の削減は、緩和と適応に影響を及ぼします。

3. 気温上昇により、地球上のより多くの地域が居住不可能になっています。

4. 気候の極端現象は、母親や生殖に関する健康を害しています。

5. 温暖化する海洋によってエルニーニョ・南方振動および大西洋南北循環についての懸念が増しています。

6. 生物文化多様性は、気候変動に対するアマゾンの回復力を強化できます。

7. 重要なインフラは気候関連ハザードにさらされるリスクが高まっており、相互接続されたネットワーク全体で連鎖的な混乱のリスクがあります。

8. 都市における気候に強い開発のための新しい枠組みは、共同利益を引き出すためのアイデアを意思決定者に提供します。

9. エネルギー移行鉱物のグローバルなバリューチェーンにおけるガバナンスギャップを埋めることは、公正かつ公平なエネルギー移行にとって極めて重要です。

10. 気候政策に対する国民の受け入れ(または抵抗)は、公平性に対する認識に大きく左右されます。

今年10月に来日した、ポツダム気候影響研究所所長でプラネタリーバウンダリーに関する研究の第一人者でもあるヨハン・ロックストローム博士はこのようにコメントしています。

「この報告書は、世界が地球規模の課題に直面していることを確認しています…しかし、明確な道筋と解決策も提供しており、緊急かつ断固とした行動を取れば、手に負えない結果を回避できることを示しています」

政策決定者だけでなく、私たち一人ひとりが知り、考え、日常の中でできることを行うことが大切ですね。

さて、先日アゼルバイジャンで行われたCOP29に関する報告シンポジウムが行われますのでご案内します。

名称: COP29報告シンポジウム
日時: 2024年12月13日(金)13:30~16:20 
会場: オンライン 
共催: 一般財団法人 地球産業文化研究所(GISPRI)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

【開会挨拶】武内 和彦 公益財団法人 地球環境戦略研究機関 理事長  
【COP29報告】(*発表者変更の可能性あり)
・松井 宏樹 外務省 国際協力局 気候変動課長  
・小沼 信之 環境省 地球環境局 気候変動国際交渉室長  
・木村 範尋 経済産業省 GXグループ 地球環境問題交渉官  
・坂下 誠 農林水産省 大臣官房みどりの食料システム戦略グループ地球環境対策室長  

【質疑応答】(事前質問に対する回答形式)
モデレーター
・前川 伸也 一般財団法人 地球産業文化研究所 地球環境対策部 部長  

パネリスト
・松井 宏樹 外務省 国際協力局 気候変動課長  
・小沼 信之 環境省 地球環境局 気候変動国際交渉室長  
・木村 範尋 経済産業省産 GXグループ 地球環境問題交渉官  
・坂下 誠 農林水産省 大臣官房みどりの食料システム戦略グループ地球環境対策室長  

【閉会挨拶】蔵元 進 一般財団法人 地球産業文化研究所 専務理事  

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