愛知県蒲郡市にある竹島水族館。入館者の減少により2005年頃には廃館が検討されるほどでした。しかしその後様々な知恵と工夫でV字回復を果たし、その復活のストーリーはテレビ番組「カンブリア宮殿」でも紹介されました。何よりまず展示されている生き物たちの説明書きが面白いんです。一つだけ例を挙げると、こんな感じです。
なまえ:イシダイ
住所(出身):三河湾刑務所 第2独房
職歴:500円サイズで来館。みんなに愛されていたがある日を境に豹変。気が荒くなり他の魚をかじるなどの暴行を加え反省部屋へと連行される。現在も反省するどころかさらに荒くなっている。保釈中であるが飼育員の監視は続いている。
罪状:ココではイシダイのしでかした悪行を紹介しよう。
同居人カミカミ罪:同居人をかみまくるという悪質な犯行
<…続く>
あらゆる生き物たちの説明書きがこうした創造性あふれる調子で書かれています。それぞれが個性豊かなキャラクターとして描かれていて、つい引き込まれてしまいます。これらの説明は”へんなおさかな 竹島水族館の「魚歴書」”という一冊の本にまとめられていますので、現地に行けなくても楽しめますよ。
さて、その蒲郡市は2021年3月に、23050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにするまち「ゼロカーボンシティ」を実現するべく取り組んでいくことを宣言しました。市内150の公共施設の照明をわずか2年の間にすべてLED化しました。また、市が管轄する約50の施設に太陽光パネルを設置する予定。公用車など約90台を段階的にEVに更新する予定。災害時には避難所となる体育館への空調設備・蓄電池の導入なども計画しています。
市民一人一人が取り組める心がけをまとめて「地球にやさしい脱炭素行動」という冊子を作成しました。
・冷蔵庫内に物を詰め込まず、半分くらいにしたら年間1,360円の節約
・便座のフタを閉めると年間約1,080円の節約
・ふんわりアクセルで発進する(5秒間で20km/h程度に加速する)と年間11,950円の節約
という感じで様々な生活シーンでどれくらい節約(=CO2の削減)ができるのか、具体的な数字が示されていて「おー、なるほど」と思うことが多いです。
エクセルで作られた「環境家計簿」という計算表があって、電気・ガス・水道・ガソリンの使用料を入力するとCO2排出量がすぐに分かるようになっています。例えばガソリンを150リットル消費すると排出量は344kg。うわ、結構多いんですね。こうして、自分の生活に基づいた数字を見ると、否が応でも意識が高まりますね。
蒲郡。いろんな工夫がまだまだありそうです。蒲郡市を中心にしたサーキュラーエコノミーの話が聞けるイベントが開催されるのでご案内します。
名称: 持続可能なビジネスへの変革 ~サーキュラーエコノミーの可能性を探る~
日時: 2024年12月9日(月)17:15~19:00
会場: STATION Ai(名古屋市)/オンライン
主催: CIC Japan
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
Opening:
「E&E Aichiについて」
Keynote Speech:
「サーキュラーエコノミーの現在地」
加藤 佑 氏 / ハーチ株式会社・代表取締役
Panel Session:
「蒲郡市を中心に広がるサーキュラーエコノミーの動き」
・坂野 晶 氏
一般社団法人ゼロ・ウェイスト・ジャパン 代表理事,
一般社団法人Green innovation 理事/共同代表,株式会社ECOMMIT 取締役CSO
・杉浦 太律 氏
蒲郡市役所 企画部企画政策課 サーキュラーシティ推進室
・山下史哲 氏
株式会社新東通信 CIRCULAR DESIGN STUDIO. スタジオ長
スタートアップピッチ:
株式会社フレンドマイクローブ
株式会社 豊橋バイオマスソリューションズ
株式会社Spacewasp
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