光を当てる→より強い光を発する→冷える

身近なことで例えてみると「イヤホンで小さな音量で好きな歌を聞く。するとちょっと気分が盛り上がってきて、カラオケでその歌を大声で歌ってみる。ストレスも吹き飛び、それまでなんだかアツくなっていた気分も落ち着いて冷静になれる・・・」ということになるのかな…と思った記事があります。

先月、千葉大学の山田泰裕教授らの研究チームが、光を当てると冷える半導体の実証に成功したとの発表がありました。2年前の4月にはこのような性質を持つ材料を発見したという発表をしていたので、着実に研究が進んでいるということですね。

千葉大学:光で冷える半導体~光学冷却の実証に成功~(2024年9月2日)

「アンチストークス発光」なんて言葉を初めて知りました。ある物質に光を当てたとき、受けた光よりも高いエネルギーの光を放出することです。これが高効率で起こると物質は熱エネルギーを失い温度が下がります。いやぁ、こんなことがあるんですね。

これが実用化されると、冷媒やコンプレッサーを必要としない「無振動・無冷媒」冷却ができることになり、振動を嫌う精密機械の冷却に応用できます。また、宇宙空間で太陽光を浴び続ける物体の温度上昇の抑制にも役立ちます。さらに進めば、熱を光に変換して輸送するような新しいエネルギー利用にも道がひらけるそうです。

最近よく「ペロブスカイト型太陽電池」という言葉を目にしますが、この研究で使われているのも「ハロゲン化金属ペロブスカイト」。太陽電池だけじゃなくて、いろいろ応用ができるようで、
面白いですね。素材の研究や開発の重要性をあらためて感じました。

さて、環境に配慮した材料の展示会「サステナブル マテリアル展」が開催されるので、ご案内します。

名称: 第4回サステナブル マテリアル展
日時: 2024年10月29日(火)~31日(木) 
会場: 幕張メッセ 
主催: RX Japan株式会社
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

○環境配慮型材料やリサイクル技術の最前線に出会える展示会
サステナブル マテリアル展 – SUSMA – はサステナブル材料(環境配慮型材料)およびその製造・リサイクル技術に特化した専門展です。エレクトロニクス、自動車、電池、建築・建材などの工業分野から食品・飲料・日用品・雑貨などのメーカーの技術者・商品企画・経営層などが来場します。
[ポイント]
・過去最多、世界最大級930社が出展
・業界トレンドの技術セミナー 全60講演を開催
・素材工場の脱炭素化展を新設
・「材料分析・評価World」を新規開催
・「オープンイノベーションWorld」を新規開催

詳しくはこちらをご覧ください。