海藻や海草、マングローブなどの海洋生態系に取り込まれた炭素「ブルーカーボン」。最近どこかで「ブルーカーボンの貯留期間は数千年と言われている」と読んで、「え!数千年?どういうこと?」と思ったので、ちょっと確認してみました。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構「ブルーカーボンを用いたCO2吸収源対策と今後の展望」
こちらの資料の中にちょうど「数十~数百年以上、長期間CO2を貯蔵できるのか?」という問い(p.12)があり、その答えが「アマモは株(群落)単位では長寿(少なくとも1000年以上)」「堆積作用によって海底の堆積物に有機炭素をどんどん蓄積する」とありました。なるほど、そういうことなんですね。それを示す写真も出ているので、直感的に分かりやすいです。
また、ブルーカーボンの面白いところは、浅い海域で育つ海藻などの葉状部が波の動きなどによって千切れて沖へ流されていくと、長期にわたって漂流しながら分解していき、やがては深海に沈んでいくというところです。深い深い海底にCO2を落とし込んでいく効果があるわけです。このあたりは地上のCO2吸収源となる樹木にはない側面ですよね。
一方、海藻による光合成量から呼吸量を差し引いたら結局のところCO2の量はどうなのか、生態系に悪影響はないのかといった点についての研究がまだ十分ではないようです。長崎大学、琉球大学、理研食品株式会社が今後共同で5年前後かけて研究していくことが決まりました。
希望が持てる結果が出ることを期待したいですね。
さて、地域脱炭素の具体例についてのセミナーが開催されますのでご案内します。
名称: はじめよう!地域再エネセミナー ~地域課題を解決する「地域脱炭素事業」の基礎~ 第4回 地域脱炭素の具体施策1(Jクレジット、ソーラーシェアリング、生ごみバイオガス)
日時: 2024年9月27日(金)13:00~15:10
会場: オンライン
主催: 環境省
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
Jクレジット、ソーラーシェアリングの専門家及び市内の一般廃棄物を活用した資源循環事例を実際に取り組まれている行政職員から、地域脱炭素の各具体施策について事例を交えて解説します。参加する自治体職員の皆さんが、ご自身の自治体で取組む場合をイメージしやすくなるようご案内していきます。
・J-クレジット(仕組み、審査フロー、売り方のコツについて)
株式会社エスプールブルードットグリーン 八林公平氏
・地域脱炭素における営農型太陽光発電の導入(ソーラーシェアリング)
千葉エコ・エネルギー株式会社 代表取締役 馬上丈司氏
・資源循環(生ごみ等の資源化事例紹介)
みやま市環境政策課 脱炭素社会推進係 山下良平氏
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