zeri-cen こんなに暑い日が続くと、思いっきり打ち水をして少しでも涼しくしたくなりますよね。よく知らない頃に「この熱くなったコンクリートをがっつり冷やしてやるぞー」と思って打ち水したら、すぐに蒸発してむわーっとしてしまいました。水は日陰に撒くのがいいそうですね。ともあれ、こんなとき、雨水を貯めておいたら、水道代を気にせずに心ゆくまで水が撒けますよね。
雨水を貯めるのは、節水にもなれば、非常時の水にもなるし、都市部においては大雨時に発生する都市型洪水の抑制にもなります。
墨田区の両国国技館。それまで蔵前にあった国技館が両国に移転する際の1984年、この地下に日本で初めて本格的な雨水タンクが作られました。1,000トンを貯水できるこのタンクの水は、トイレや冷房、散水に利用されています。墨田区ではその後も公共施設の雨水タンクの設置を続け、東京スカイツリー（2635トン）、東京都江戸東京博物館（2500トン）、墨田区役所（1000トン）、すみだ中小企業センター（770トン）、墨田区総合体育館（696トン）など、さまざまな場所で雨水利用を導入しています。
1994年には「雨水利用は地球を救う－雨と都市の共生を求めて－」をテーマに「雨水利用東京国際会議」が開催され、世界の雨水利用の事例や研究成果の発表などが行われました。
1995年には墨田区雨水利用促進助成金制度ができ、民間施設での雨水利用を促進しました。
こうした雨水利用の取り組みが高く評価され、2000年には、環境の保全を目指す地方自治体の国際的ネットワークである国際環境自治体協議会International Council for Local Environmental Initiative）から、国際環境賞「水」部門で優秀賞を受賞しました。
国技館の地下タンクを発案した村瀬誠氏（当時、墨田区職員）は現在水道事情の良くないバングラデシュで飲料水確保のための雨水タンクの普及活動をしています。2002年には環境のノーベル賞といわれるロレックス賞を受賞しています。墨田区で始まった取り組みが国境を超えて広がっているなんて、素晴らしいですよね。
さて、そんな墨田区で雨水利用に関するイベントが行われますので、ご案内します。村瀬氏も、そして先日ストックホルム水大賞を受賞された沖大幹教授も登壇されます。
名称： 雨を活かして、未来へつなごう。第14回雨水ネットワーク全国大会2024 in すみだ
日時： 2024年8月3日（土）10:00～17:000、4日（日）10:00～12:30
会場： すみだリバーサイドホール、墨田区役所ほか
主催： 雨水ネットワーク全国大会2024 in すみだ実行委員会、墨田区
参加費： 無料
主な内容：下記HPより抜粋
【8月3日（土）】
○開会式 大会会長挨拶 山本 亨［墨田区長］
来賓挨拶 ほか
○セッション１「すみだの雨水 ～過去から学び、Next Stageへ～」
コーディネーター：菜原 航［墨田区環境政策課長］
・講演：村瀬 誠［元墨田区職員，天水研究所］
・ディスカッション
村瀬 誠［元墨田区職員，天水研究所］
佐原滋元［一寺言問を防災のまちにする会］
木下 剛［千葉大学大学院園芸学研究院］
高橋朝子［雨水市民の会］
岩下弘之［墨田区資源環境部長］
○セッション２ 分科会「雨水とわたしたちの未来」
進行：山本耕平（大会実行委員長・雨水市民の会）
４つのテーマに分かれ、みんなで考える。
（１）雨とネイチャーポジティブ：雨水を活用した都市緑化の可能性
－立体的緑地と平面的緑地による生物多様性の回復
（２）ゼロメートル地帯から考える雨と防災
（３）「くらしの中の雨水～見える、楽しむ、活かす」
（４）飲む雨水 ～インフラとヒトの変化から考える飲むあまみずの近未来
○分科会まとめ
進行：山本耕平［大会実行委員長・雨水市民の会］
コーディネーターによる総括・フロアを交えたＱ＆Ａ
【8月4日（日）】
○セッション３「雨水は地球を救うか？」 特別講演＆パネルディスカッション
司会：笹川みちる［雨水市民の会］
○第1日振り返り
・セッション１「すみだの雨水」
報告：菜原 航［墨田区環境政策課長］
・セッション２「分科会：雨水とわたしたちの未来」
報告：笹川みちる［雨水市民の会］
○特別講演 「雨の恵みと災い －わたしたちの都合」
沖 大幹［水文学者，東京大学 教授］
○パネルディスカッション「雨水、文化、都市の未来を語る」
コーディネーター 橋本淳司［水ジャーナリスト，アクアスフィア・水教育研究所］
パネリスト 沖 大幹［水文学者，東京大学 教授］
長谷部愛［東京造形大学 非常勤講師］
石井秀幸［ランドスケープアーキテクト，スタジオテラ］
尾崎昂嗣［代表社員，Ｒ＆Ｕ・レゾリューションズ］
○閉会式 雨水宣言すみだ2024 山本耕平［大会実行委員長,雨水市民の会］
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