カーボン・ニュートラル製品 注意と期待

最近の猛暑のせいで、熱中症のニュースを多く見かけます。無理をせず、適切な冷房やこまめな水分補給を心がけたいものです。

世界に目を向けても、猛暑によって命を落とす事例が相次いでいます。
・「メキシコ各地で「ヒートドーム」現象、猛暑で数十人死亡」(ロイター:2024年5月24日)
・「北半球各地で猛暑、数百人が死亡」(Newsweek:2024年6月21日)
・「サウジアラビア メッカ巡礼者1300人超死亡 気温50度超える猛暑」(NHK:2024年6月24日)

こうした温暖化の流れを食い止めるために個人レベルでできることの一つが、カーボン・ニュートラル製品を選んで購入することですが、カーボン・ニュートラルを謳っている商品でも、それが第三者機関によって認証されているものもあれば、製造者が宣言しているだけのものもあります。また、カーボン・クレジットをすることで相殺している場合、そのカーボン・クレジットそのものに疑義がある場合もありますから、なかなかややこしい話です。

先月ニュースレターでご紹介しましたが、CEN名誉会長の山本良一先生が「カーボン・ニュートラル製品の国際動向」という記事を公表しました。

「カーボン・ニュートラル製品の国際動向」東京大学名誉教授 山本良一
https://www.zeri.jp/cen/news/2024/06/03/3838/

ここではカーボン・ニュートラルあるいはカーボン・ポジティブ製品のさまざまな事例が挙げられていますが、不正なマーケティング手法とみなされるグリーンウォッシュ問題についても言及されています。

グリーンウォッシュについて厳しい目を向けることは重要ですが、それが製造者の萎縮につながってはこれもまた良くありません。この点について山本先生は「…”グリーンウォッシュ”の批難を恐れて開発・販売・普及が萎縮することは好ましくない。しかし証拠に基づいた信頼性の高い環境主張でなければならないことは勿論である」と書かれています。

カーボン・ニュートラルと言われる製品の信頼性に注意を払いつつも、これからも脱炭素に資する製品がもっともっと現れることに期待します。

さて、水素と燃料電池に関する最新の情報を聞けるイベントをご案内します。
NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が進めているプロジェクトの成果を報告するもので、内容は専門的で多岐に渡っていますが、現時点でウェブサイトに多数の資料が掲載されているので、参考になればと思います。

名称: NEDO水素・燃料電池成果報告会2024
日時: 2024年7月18日(木)~19日(金) 
会場: パシフィコ横浜/オンライン 
主催: 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 
【7月18日(木)会場A】
挨拶:NEDO、経済産業省
口頭発表:「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」

【7月18日(木)会場B】
挨拶:NEDO、経済産業省
口頭発表:「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」
「グリーンイノベーション基金事業/大規模水素サプライチェーンの構築」
「脱炭素化・エネルギー転換に資する我が国技術の国際実証事業」

【7月19日(金)会場A】
挨拶:NEDO、経済産業省
口頭発表:「燃料電池等利用の飛躍的拡大に向けた共通課題解決型産学官連携研究開発事業」
「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」

【7月19日(金)会場B】
挨拶:NEDO、経済産業省
口頭発表:「水素社会構築技術開発事業」
「グリーンイノベーション基金事業/再エネ等由来の電力を活用した水電解による水素製造」
「競争的な水素サプライチェーン構築に向けた技術開発事業」

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