息を吹きかけるだけでジワーっと温度が上がるという、不思議な材料があります。
これは吸着材がもっている「水分の吸脱着反応」を利用しています。
・高温の排熱で吸着剤を乾燥→蓄熱
・湿った空気を吸着剤に供給→放熱
いう反応が起こります。この性質を利用して工場の廃熱を蓄えておき、別の時に別の場所でその熱を使うことができるというわけです。それにしても、作り方が簡単、というのがまたいいですね。
この材料のさらに良いところは、保管時の温度保持が不要ということ。水分が吸着しないように密閉しておきさえすればいいので、熱のロスがなく、余計なエネルギーを使わなくてすみます。
最近ではTDK株式会社が工場に導入したことが知られています。CO2排出量削減効果は年間249トンと試算されていて、この工場全体の排出量の5%に相当するそうです。
「TDK、高砂熱学工業の吸着材蓄熱システム「メガストック」を導入し工場のCO2排出量を削減」
(2024年3月18日)
こういう記事を見ると、いままで特に気にしていなかったさまざまな排熱がもったいなく思えてきます。この材料が進化していって、いつか「カゼをひいたらコレで蓄熱!あなたの高熱をムダにしない蓄熱パッド」なんて商品も出てきたら面白いですね。
さて、循環型社会について考えるシンポジウムが開催されるのでご案内します。
名称: 2024年度 第1回生産性シンポジウム「サーキュラーエコノミーを創る」
日時: 2024年4月22日(月)15:00~17:30
会場: オンライン
主催: 公益財団法人 日本生産性本部
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
・基調報告1「欧州のサーキュラーエコノミーの最新動向」
日本生産性本部 エコ・マネジメント・センター長 喜多川 和典
・基調報告2「サーキュラーエコノミー加速に向けた取り組み」
経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課長 田中 将吾 氏
・パネルディスカッション「ビジネスと地域の力でサーキュラーエコノミーを創る」
<パネリスト>
CLOMA 会長(花王 特別顧問) 澤田 道隆 氏
JEPLAN 代表取締役執行役員社長 高尾 正樹 氏
川崎市 臨海部国際戦略本部本部長 玉井 一彦 氏
経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課長 田中 将吾 氏
NPO法人 産学連携推進機構理事長 妹尾 堅一郎 氏
<コーディネーター>
日本生産性本部 SDGs推進室長 清水 きよみ
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