シジュウカラの「お先にどうぞ」  未知への扉

だいたいどこにでもいる鳥、シジュウカラ。彼らはヘビを見ると「ジャージャー」という警戒音を発して周囲の仲間に伝えます。他にもさまざまなことを鳴き声で表現できて、近年の研究でその鳴き声の組み合わせには単語も文法もあることが分かっています。伝達可能な「文」としてこれまでに200種類以上が判別されているそうです。

こうしたシジュウカラの生態を研究してきた東京大学の鈴木俊貴准教授らが、新たな発見について発表しました。

東京大学 先端科学技術研究センター:シジュウカラはジェスチャーを使う 
―翼をパタパタ「お先にどうぞ」―(2024年3月25日)

巣箱に入る時、翼をパタパタさせてつがい相手に先を譲っていることを見つけたのです。それだけ聞いても「え、それって…すごいことなの?」と思ってしまいますが、実はジェスチャーによってコミュニケーションを行う能力は、これまでヒトや類人猿だけが持っていると考えられてきました。鳥が翼でジェスチャーをするのを発見したのは、これが世界で初めてのことだそうです。

東京大学のプレスリリースの最後に「動物のジェスチャーに関する更なる研究は、私たちの言語の起源や進化を紐解く上でも大きく貢献すると期待されます。今後、類人猿以外のさまざまな動物の体の動きがどのような意味を伝えているのか、より詳細に研究が進むことで、動物たちの思考や会話の内容をより一層深く理解することにつながると期待されます」とあります。

私たちが普段何気なく使っている「お先にどうぞ」というジェスチャー。鳥がこれをやっていると分かったことで、未知の世界への扉がまた少し開いたようです。どこにでもいるシジュウカラからこんなに深い世界が垣間見えるなんて、面白いですね。自然から学べるものは無限だな、と改めて思いますね。

さて、循環経済や生物多様性に関するシンポジウムが開催されるのでご案内します。

名称: サーキュラーエコノミー&広域マルチバリュー循環(CE-MVC)研究会 
    年会六周年記念公開シンポジウム

日時: 2024年4月18日(木)13:15~16:50 
会場: 学士会館(千代田区)/オンライン 
主催: サーキュラー・エコノミー-広域マルチバリュー循環研究会
参加費: 無料 (オンライン参加は有料)

主な内容:下記HPより抜粋 

・基調講演 「リニアな循環から脱し、残存価値の活用へ」
原田幸明 CE-MVC研究会 代表理事

・記念講演 「ビジネスにおける生物多様性対応とネイチャーポジテイブの実装」
久保田康裕 琉球大学 理学部 株式会社シンク・ネイチャー

・講演 「循環経済・資源効率性原則及び循環経済の最新の国際動向・日本のリーダーシップ」
吉田諭史 環境省 環境再生資源循環局 総務課 国際資源循環企画官

・講演 「成長志向型資源自立経済への道」(仮)
吉川泰弘 経済産業省 産業技術環境局 資源循環経済課 課長補佐

・記念講演(リモート) 
“The emergence of circular business models through business experimentation”
Prof. Dr Nancy Bocken, Professor in Sustainable Business & Circular Economy,
Maastricht Sustainability Institute, School of Business and Economics,
Maastricht University, The Netherlands.
(会場には、AI同時通訳字幕が投影されます)

詳しくはこちらをご覧ください。