日露戦争直後の北海道を舞台にした金塊をめぐる冒険物語の映画が公開されるなど、
最近はついつい北海道に目が行ってしまいますが、また一つ発見がありました。
千歳空港から南東に車で30分行ったところに厚真町(あつまちょう)があります。
人口四千人ほどの町ですが、サーフィンに適した海岸があり、サーファーの集まる
数では北海道でも指折りの場所で、知る人ぞ知る町です。
この厚真町で、馬を活用して伐採した木材を運んだり(馬搬:ばはん)、農地を耕したり(馬耕:ばこう)しているところがあります。
馬搬は、大量の木材を運ぶことはできないものの、急斜面でも運搬できたり、林道の建設が不要であるなど、環境に優しい林業の方法として、ヨーロッパでは盛んに行われているそうです。
また、馬耕はトラクターと違って土壌に負担をかけず、適度に空気を含む柔らかい土に
することができるため、作物の根付きが良いそうです。
森の生態系を丁寧に守りながら人間の生活に必要なものを作り出していく。ネイチャーポジティブの一つの形かもしれませんね。
この取り組みはSATOYAMAイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)のウェブサイトにも掲載されています。
さて、「持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム(ISAP2023)」のアフターイベントでネイチャーポジティブについてのオンラインセミナーが開催されますので、ご案内します。
名称: ISAP2023(持続可能なアジア太平洋に関する国際フォーラム)After ISAP テーマ別会合3
「ネイチャーポジティブな世界に向けた、統合的で、包摂的で、地域に根差した社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)管理の実践」
日時: 2024年1月29日(月)14:00~15:30
会場: オンライン
共催: 国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)、公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)
参加費: 無料
主な内容: 下記HPより抜粋 (日英同時通訳あり)
「社会生態学的生産ランドスケープ・シースケープ(SEPLS)」は、生物多様性を維持するために管理されながら、人間生活に必要な商品やサービスを提供する生息地と土地、海洋利用のダイナミックなモザイクを意味します。
本セッションでは生物多様性の保全と再生の観点からSEPLSが特にネイチャーポジティブな社会に向けて、どのように統合的、包括的かつ地域的な活動を促進できるかに焦点を当てます。
また、Satoyamaイニシアティブ国際パートナーシップ(IPSI)のシードファンディングであり、SEPLSの促進、保全および再生に取り組むIPSIメンバーを支援するSatoyama保全支援メカニズム(SDM)についても議論します。
モデレーター: 三輪 幸司(IGES生物多様性と森林 研究員)
〇開会挨拶
武内 和彦(IGES理事長/UNU-IAS客員教授)
〇プレゼンテーション、パネルディスカッション
・三輪幸司(IGES生物多様性と森林 研究員)
・ラシェッド アル マフムッド ティトゥミル(ウン ノヨン・オンネション 会長)
・マリン ヨンソン(生命の種財団 ディレクター)
・許 靜娟(財団法人慈心有機農業発展基金会 コーディネーター)
・デセ ヤデタ エデサ(エチオピア生物多様性研究所森林および放牧地の植物の多様性研究 研究員)
〇閉会挨拶
鈴木 渉(環境省自然環境局生物多様性戦略推進室 室長)
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