アマゾン川の長さは約6,500km。その流域面積は750万平方kmと言われています。日本の面積が約38万平方kmなので、日本の20倍くらいの広さがあることになります。これは世界第二位の流域面積を誇るコンゴ川の2倍あり、ダントツの第一位です。そして、そこに流れる水の量は、全世界の河川流量の15%から18%を占めると言われていますから、あらためてそのスケールに驚きます。
そのアマゾンでは、違法な森林伐採や鉱物採掘などの影響で広大な面積の熱帯雨林が消失しています。2022年には1万1,568平方kmが失われました。都市部で生活する人々への影響もさることながら、伝統的に森林で生活してきた人々の暮らしの基盤が失われていくことも意味しています。また、この広大な森林が吸収する二酸化炭素の量を想像すると、こうした消失は世界の国々にとっても深刻な問題です。
8月に、アマゾン周辺の8カ国(ブラジル、ボリビア、コロンビア、エクアドル、ガイアナ、ペルー、スリナム、ベネズエラ)で構成するアマゾン協力条約機構( Amazon Cooperation Treaty Organization, ACTO)の首脳会議が行われ、アマゾンの森林監視・保護を強化するために「国際警察協力センター」を設けることが決まりました。伐採をゼロにする目標時期の共有まではできなかったものの、関係各国が協力していく体制を作れたのは一つの前進でしたね。
さて、脱炭素化と自然を守ることの両方に注目したイベントが行われますので、ご案内します。
名称: 第51回環境システム研究論文発表会併催/環境システムワークショップ
カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの両立を志向する環境システム研究の戦略
日時: 2023年10月20日(金)15:00~17:00
会場: 郡山市郡山公会堂(福島県)/オンライン
主催: 土木学会環境システム委員会
参加費: 無料
主な内容: 下記HPより抜粋
気候変動緩和の目標であるカーボンニュートラル、生物多様性の目標であるネイチャーポジティブの同時達成にかつてなく関心が高まっている。本ワークショップでは現在進行中の研究課題の最先端を報告・共有し、さらなる研究展開と社会実装の戦略を議論する。
〇趣旨説明 五味馨(国立環境研究所)
〇話題提供(仮題)
・報告1
「生物多様性と社会経済的要因の統合評価モデルの構築と社会適用に関する研究」
齊藤修(地球環境戦略研究機関)
・報告2
「カーボンニュートラルとネイチャーポジティブを同時達成する人口・国土・インフラの介入策の検討」
松橋啓介(国立環境研究所)
・報告3
「社会実装を見据えた脱炭素・ネイチャーポジティブ社会シナリオの作成とその課題」
金再奎(滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)
・報告4
「福島県内における木質バイオマス利用の現状と課題」
中村省吾(国立環境研究所)
〇総合討論
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