石油側か、再エネ側か いや両側

11月末から開催されるCOP28(国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議)の開催地はアラブ首長国連邦(UAE)。経済産業省の石油統計速報(令和5年8月分)を見ると、日本にとってはサウジアラビアを超えて第1位の原油供給国です。

このCOP28の議長はスルタン・アフマド・アル・ジャベル氏。1973年生まれのちょうど50歳。イギリスのコベントリー大学で博士(ビジネス・経済学)、南カリフォルニア大学で理学士(化学エンジニアリング)、カリフォルニア州立大学でMBA(経営学修士)を取得した俊英で、現在はUAEの産業・先端技術大臣であると同時にアブダビ国営石油会社のCEOです。

「石油会社のCEOがCOPの議長を務めるのは利益相反ではないか」という批判の声もありますが、彼は一方でUAEの気候変動担当特使でもあり、再生可能エネルギー企業「マスダール」の創設者・会長でもあります。去年6月に来日した際には萩生田経済産業大臣(当時)と会談し、二国間で石油・天然ガス分野に加えてクリーンエネルギーの分野でも協力していくことで合意しました。

石油業界と再エネ業界の両方で存在感ある実力者でなければ動かせないものが多くあるでしょうから、彼が議長を務めるCOP28でどんな進展が見られるのか、なかなか興味深いところです。

さて、世界からの視点を持つためにも、諸外国の要人の講演はぜひ拝聴したいものです。近く東京都が主催する再生可能エネルギーについてのフォーラムでは、欧米だけでなくマレーシア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦からの代表者らの話も聞けます。同時通訳がついているのはありがたいですね。

名称: TIME TO ACTフォーラム 2023 
    エネルギーの脱炭素化 ~都市における再生可能エネルギーの実装加速化に向けて~

日時: 2023年10月19日(木)10:30~12:00
開催形式: 対面とオンラインのハイブリッド
主催: 東京都
参加費: 無料

主な内容:下記HPより抜粋 (※日英同時通訳あり)

・開会 
 開会挨拶 小池百合子 東京都知事
 ゲストスピーチ ジノ・ヴァン・ベギン イクレイ世界事務局長
・基調講演 
 フランチェスコ・ラ・カメラ 国際再生可能エネルギー機関(IRENA) 事務局長
 アリ・ イザディ ブルームバーグNEFアジア太平洋地域統括

・パネルディスカッション
 小池百合子 東京都知事
 カマルルザマン・マット・サレー  クアラルンプール市長
 ジャン=エリック・パケ 駐日欧州連合(EU)特命全権大使
 三宅 香  日本気候リーダーズ・パートナーシップ (JCLP) 共同代表、
      三井住友信託銀行株式会社 ESGソリューション企画推進部 フェロー役員
 ムハンマド・アルダラウィ  サウジアラビア投資省 日本事務所代表、
               サウジ日本ビジョン2030日本事務所代表
 ニーナ・ハチギアン  米国サブナショナル外交特別代表大使

・閉会挨拶 
 シハブ・アハマド・アル・ファヒー 駐日アラブ首長国連邦特命全権大使
 モデレーター 内田 東吾 イクレイ日本事務局長

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