昨年開催されたCOP27では、途上国が求める「損失と損害」基金の設置が一応行われましたが、その中身について具体的な案がまだまだ整っていないようです。
「10NICS2021年版」の中で、5つ目の項目である「グローバルな気候変動対策は公正でなければならない」と述べられている通り、今後は社会正義の声がますます強まることでしょう。
8月23日から三日間、南アフリカでBRICS首脳会議が開かれました。そこでイラン、アラブ首長国連邦、サウジアラビア、エジプト、エチオピア、アルゼンチンの6カ国がBRICSに正式に加盟することが決まりました。国際社会における新興国や発展途上国の存在感は増していき、気候変動対策の公正さに関する課題についても影響を与えそうです。このあたり、先進国の政府や企業にとっては問題が複雑になって悩ましいことかもしれませんが、人類全体の未来を考えると、こうしたプロセスを丁寧にたどっていくことに重要な意義があるように思えます。
社会正義と地球環境をテーマに行われるシンポジウムをご紹介いたします。
名称: 総合地球環境学研究所 地球人間システムの共創プログラム 公開シンポジウム
「社会正義と地球環境 ~包摂的な未来社会に向けて~」
日時: 2023年9月25日(月) 10:00~17:00
会場: 総合地球環境学研究所 / オンライン
主催: 大学共同利用機関法人人間文化研究機構 総合地球環境学研究所 地球人間システムの共創プログラム
参加費: 無料
主な内容: 下記HPより抜粋
開会挨拶: 山極壽一(総合地球環境学研究所)
趣旨説明: 谷口真人(総合地球環境学研究所)
人新世における社会正義と地球環境
講演: (各発表30分+質疑15分)
加藤博文(北海道大学)
先住民地における地球環境問題と社会正義
福永真弓 (東京大学)
修復的環境正義と環境ガバナンス
笹岡正俊(北海道大学)
グローバルサウスの環境・資源問題と社会的公正
―被害はなぜ、またいかにして不可視化されるのか
飯山みゆき(国際農林水産業研究センター)
緑の革命と社会正義
宇佐美誠(京都大学)
包摂的な気候正義へ
笹岡愛美(横浜国立大学)
E L S Iと地球環境
討論: コメンテーター:池谷和信(国立民族学博物館)
閉会挨拶: 谷口真人(総合地球環境学研究所)
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