月で水も作れるマイクロ波 脱炭素にも活躍

先月26日未明、日本の企業アイスペースが民間で世界初となる月面着陸にチャレンジしましたが、残念ながら成功とはなりませんでした。この日に向けて努力してきた人々が落胆する様子に胸が痛みました。来年のチャレンジに期待しています。

しかし遅かれ早かれ、やがては人類が月面で生活する時代も来るのでしょうね。そんなとき、水はどうやって確保するのでしょう?

どうやら月面の塵を電子レンジにかけて水分を蒸発させ、それを回収すればよいのではないか、ということが分かってきました。

2009年にはすでにNASAの記事でも書かれていましたが、
NASA:Microwaving Water from Moondust(マイクロ波で月の塵から水を取り出す)つい最近も、オープン大学とセントラル・フロリダ大学の研究チームが今年研究結果を発表しました。

New Atlas: Thirsty astronauts could just throw some Moon dust in the microwave(喉が乾いた宇宙飛行士は、月の塵を電子レンジに放り込むだけでいいかも)

身近な道具がこんなに役立つなんて不思議ですね。いつかは本物の月の塵で試してみたいですね。

電子レンジで使われているのはマイクロ波。対象物に直接働きかけて加熱することができるため、エネルギー効率に優れています。実は加熱だけでなく乾燥、合成、濃縮、分解などもできるため、さまざまな素材を作りだすことに応用できるのだそうです。

こんなマイクロ波を脱炭素やサーキュラーエコノミーにつなげる話がありますので、ご紹介します。

名称: 脱炭素・サーキュラーエコノミーの実現 
    〜マイクロ波を用いたケミカルリサイクル・バイオマスプラスチックのご紹介〜

日時: 2023年5月30日(火)、31日(水)13:30〜14:30
会場: オンライン
主催: マイクロ波化学株式会社
参加費: 無料
主な内容: 下記HPより抜粋
脱炭素化と省エネに貢献するモノづくり技術の一つとして、昨今注目を集めているマイクロ波。当社は、2014年に世界で初めてマイクロ波化学工場を建設し、マイクロ波による製造プロセスを実証しました。その後、2017年 ショ糖エステル合成、2019年 ペプチド医薬合成、2021年PMMAリサイクル実証、2022年 カーボンファイバー製造の実証やインスタント食品の凍結乾燥、昨今はベリリウムの溶解などを代表例として、幅広いプロセスへの適用を進めて参りました。その中でも今回は、脱炭素と合わせてサーキュラーエコノミーの潮流で注目を集めている、マイクロ波を用いたケミカルリサイクルとバイオマスプラスチックの取り組みについて、事例を交えて紹介いたします。

■スピーカー
 河野 和也 / 事業開発部 マネージャー
丸紅株式会社にてアジア地域における電力インフラ開発を担当。事業開発・プロジェクトファイナンス・M&Aなどに従事した後、マイクロ波化学(株)に入社。

詳しくはこちらをご覧ください。

・マイクロ波化学株式会社公式サイト
https://mwcc.jp/