人はときどき、不毛な議論をしてしまいます。
「これはきっと〇〇になっていると思うから、XXしなくてはならないと思います」
「いや違う。きっと△△になっていると思うから、□□しなければならないと思います」
「いやいや、2人とも違うな。そもそも、たぶんXXXなんだから、△△△すべきなんですよ」
いやはや、出発点について認識が合致していなければ、建設的な話になりませんよね。
地球の陸地面積の3割は森林に覆われています。その森林は1年間に8ギガトンの二酸化炭素を吸収していると言われており、炭素循環と気候システムにおいて重要な役割を担っています。これまで、衛星からのマイクロ波レーダーを使った観測によって森林の分布と面積を知ることはできました。しかし、マイクロ波は樹冠で反射してしまうため、樹冠の下の状況までは把握できず、森林バイオマスが持つ影響力について十分な評価をすることができないでいました。
そんななか欧州宇宙機関(European Space Agency, ESA)は、最新機器を搭載した衛星を打ち上げて森林を初めて立体的に観測し、地球全体の森林バイオマスをマッピングする「バイオマス」計画を進めています。
衛星は2024年4月にフランス領ギアナから打ち上げられる予定です。地球全体の気候における森林の役割や影響力の大きさがより精緻に理解できるようになりそうです。期待が膨らみますね。
さて、話は変わりますが、バイオマス発電についてです。
日本でFIT制度(再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が始まったのが2012年。このあとバイオマス発電は急増していきますが、それをずっと遡る2003年から毎年欠かさず「バイオマス白書」を公表してきたNPO法人 バイオマス産業社会ネットワークが、「バイオマス白書2023」を公表しています。
「バイオマス発電の終わりの始まり?」
「バイオマスの石炭火力混焼の問題点」
など、興味深い見出しがあります。
参考になればと思います。