使い捨てとリサイクル 環境を守るための柔軟な思考

フランスでは今年1月1日から、ファーストフード店での店内飲食について、(洗ったり拭いたりして)再利用可能なカップ、グラス、カトラリーの使用が義務付けられました。2020年に施行された「循環経済法」の一環です。使い捨ての食器類が使えなくなるというわけです。

フランスでは国内約30,000店舗で年間60億食が販売され、180,000トンの廃棄物がでているそうですから、これを削減することは重要ですよね。しかし一方、紙製容器の業界団体である欧州紙製容器包装連盟(European Paper Packaging Alliance, EPPA)はこの法律に批判的です。「ほとんどの紙製使い捨て容器は再生可能な資源で作られており、リサイクル率は82%である。そして、再利用可能な食器類を洗浄し、乾燥する時にはエネルギーと水を消費するので、使い捨て紙製容器を使う場合と比較するとCO2排出量は2.8倍、水の使用量は3.4倍になる」といいます。

そ、そうなんですか…。同じ使い捨てでも、紙とプラスチックでは事情が違うんですね。使い捨てとリサイクル。結局のところ、どちらが環境にいいのでしょうか。このあたりは製品の素材の種類によっても違いがあるのでしょう。いずれにしても、柔軟な思考を持って、最善の解決策に辿り着いてもらいたいですね。

さて、大阪には「大阪湾プラごみゼロを目指す資源循環共創拠点」というプロジェクトがあります。大阪大学をはじめ様々な大学や研究機関、企業が参加しており、プラスチックごみを可能な限り減らす社会をつくりつつ、プラスチックを循環資源として利用する技術を開発することに取り組んでいます。このプロジェクトの公開ワークショップが開催されるので、ご案内します。

名称: 第2回公開ワークショップ「大阪湾プラごみゼロ拠点」プラスチックを循環させるには!
    ~動脈産業と静脈産業をつなぐ~

日時: 2023年3月1日(水)13:30~16:30
会場: 大阪公立大学I-siteなんば/オンライン
主催: 大阪大学「大阪湾プラごみゼロを目指す資源循環共創拠点」、大阪大学大学院工学研究科、プラスチック愛プロジェクト
共催: (一社)大阪大学工業会、(一社)生産技術振興協会
後援: (公財)ブルーオーシャンファンデーション、バイオコミュニティ関西
主催運営:  大阪湾プラごみゼロ拠点事務局
参加費: 無料
主な内容:
開会挨拶 宇山 浩 氏(プロジェクトリーダー、大阪大学教授)

第一部 講演会
 ・講演1『花王のプラスチック資源循環の取り組み』
     南部博美 氏(花王株式会社 リサイクル科学研究センター長)
 ・講演2『プラスチック資源の利活用について~静脈産業の観点から~』
     大西 龍 氏(㈱関西再資源ネットワーク 経営戦略本部 部長)

第二部 パネルディスカッション
 パネリスト:
   関根久仁子 氏(環境カウンセラー、カムフル㈱ 代表取締役)
   平野二十四 氏(㈱タイボー 代表取締役社長、心臓産業の提唱者)
   千葉知世 氏(大阪公立大学准教授
   (一社)加太・友ヶ島環境戦略研究会代表、拠点研究リーダー)
 モデレーター: 宇山 浩 氏

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