勾玉といえば、遺跡から出土する古代のアクセサリーというイメージがあります。しかし、この形を風力発電のブレードに応用して発電効率をあげた「勾玉型風車」があるんですね。
こちらの映像は2015年の講演なのですが、その後の進展も気になるところです。脱炭素に向けた、この勾玉型風車を含む様々な新しい技術についての説明会が開催されますので、ご案内します。
名称: 脱炭素に資する技術 新技術説明会
日時: 2023年2月21日(火)11:00~14:25
会場: オンライン
主催: 科学技術振興機構、東京工業大学、東北大学、同志社大学、立命館大学
参加費: 無料
主な内容:
[1] 再生可能キレート剤を用いた100℃未満・常圧下のCO2回収・鉱物固定技術
東北大学 大学院環境科学研究科 先進社会環境学専攻
助教 ワン ジャジェ
○新技術の概要
本技術は、CO2の吸収が可能で炭酸塩鉱物の析出にも適したアルカリ性のキレート剤水溶液を用いて、産業副産物や鉱物中のカルシウムをキレート錯体として抽出した後、加熱により錯体の安定性を低下させることで炭酸イオンとカルシウムイオンとの反応を誘起して炭酸カルシウムを製造するとともに、キレート剤水溶液を再生して繰り返し利用する技術である。
[2] バイオマスを原料とするプラスチック代替材料
同志社大学 理工学部 機能分子・生命化学科
教授 水谷 義
○新技術の概要
デンプンやセルロースなどのバイオマスをリン酸カルシウムと複合化させ、さらに糖のヒドロキシ基をエステル化反応で疎水化することで、多様なレベルの耐水性、弾性率を有する、植物由来原料を用いた新規機械材料を開発した。本材料は水を含むことによって靭性が高くなるという骨に類似の性質が特長となる。
[3] 手のひらサイズの固体酸化物形燃料電池
東京工業大学 科学技術創成研究院 未来産業技術研究所
助教 山田 哲也
○新技術の概要
これまで固体酸化物形燃料電池(SOFC)は主に定置用の高効率な発電システムとして実用化されてきている。本発明では従来使われてきた平板状SOFCセルを搭載できるマイクロリアクターを作った。このマイクロリアクターは高い耐熱性と断熱性を有しており、これまでの定置用SOFCに可搬性を付与させ高密度な電池を作る技術である。
[4] 微生物燃料電池で電源不要!廃水や土壌のセンシング装置
立命館大学 理工学部 電気電子工学科
教授 田口 耕造
○新技術の概要
土壌中、廃水中の水面に浮遊させることで、水中の有機物に応じて発電動作可能な微生物燃料電池を開発しました。電極材料に廃棄物を混ぜることでアノード電極、カソード電極のコストを下げ、同時に微生物燃料電池の出力を向上させています。電極部のメンテナンスが容易であり長期的な安定発電と手間をかけず水質検査の実施が可能です。
[5] 勾玉形風車で発電力UP!一家に一台、風をとらえる令和の神器
立命館大学 理工学部 機械工学科
准教授 吉岡 修哉
○新技術の概要
勾玉形風車は、独自の勾玉形ブレードを持つ垂直軸風車で、回転中は常時、風車の回転方向に力を生み出すように、流体工学に基づいて設計しています。そのため、風が弱くても、風車が小さくても、効率よく回転します。また発電機類を最下部に設置できるためメンテナンスが容易で、一家に一台、屋根の上に設置する風車に適しています。
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