シナイ半島と聞くと、つい「占領」という言葉を連想します。スエズ運河をめぐって、1956年から57年にかけてエジプトとイスラエル・イギリス・フランスが戦いました。このときにイスラエルがシナイ半島を占領するも、まもなくエジプトに返還されます。その10年後に第3次中東戦争で再びイスラエルが占領、
1982年またエジプトに返還、という歴史があります。
イスラエルが占領していた時期に、それまでは小さな漁村にすぎなかった半島南端の地域にホテルやダイビングクラブが多く作られ、リゾート地に変わっていきました。エジプトに返還されてからも観光開発は進められ、今では世界的に有名なダイビングスポットとして知られており、また国際平和会議が多数開かれてきたこともあって「平和の都市」とも呼ばれています。エジプトのシャルム・エル・シェイクです。
ここで11月6日から18日まで、国連気候変動枠組み条約第27回締約国会議(COP27)が開かれます。
UAEのメディアThe National News が、開催1週間前の街の様子を伝えています。
政府が「グリーン・シャルム」というキャンペーンを行い、街のさまざまな部分を”グリーン”にしている。9月には新しいバスターミナルが建設され、140台のEVバスが運行し、11月中は街中の移動が全て無料になる。4ヶ月前には存在していなかった太陽光発電施設が2週間前から稼働している…、などといった
内容です。
誰の家でもあることですよね。「お客さんがいらっしゃるから綺麗にしておかなきゃ…」ということですね。それでいいじゃないですか、と優しく言ってあげたくなります。
COP27では日本も環境省が「ジャパン・パビリオン」を開催し、下記の企業/団体が脱炭素に貢献する技術を展示しています。
・国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)
・JFEエンジニアリング株式会社
・SPACECOOL株式会社
・大成建設株式会社
・東芝エネルギーシステムズ株式会社 / 株式会社東芝
・日揮ホールディングス株式会社
・パナソニックホールディングス株式会社
・日立グループ
・三菱重工業株式会社
・環境省
・農林水産省
日本を代表する技術を再発見できるかもしれません。詳しくはこちらをご覧ください。
ところで「シャルム・エル・シェイク」とは、「賢人の入江」という意味だそうです。世界各国が抱える事情はさまざまで調整は大変だとは思いますが、ここで世界の賢人が集まって、実効性のある合意がまとまれば、この名に見合う成果となりますね。期待したいところです。