水平線の彼方から、廃棄物の大きな波が静かに近づいてくるような感じです。
太陽光パネルの寿命は25年から30年とされています。日本で太陽光発電が爆発的に普及したのは2012年の固定価格買取制度が導入されてからですから、2040年頃には太陽光パネルの廃棄物が大量に発生することが見込まれています。
環境省の「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」(平成28年)によると、太陽電池モジュール(寿命25年)の年間排出見込量は
2020年 2,808トン
2030年 28,788トン
2039年 775,085トン
となっており、2039年については産業廃棄物の最終処分量の6%にもおよぶという試算があります。
環境省: 「太陽光発電設備のリサイクル等の推進に向けたガイドライン」(平成28年)
鉛、セレン、カドミウムといった有害物質を含む太陽光パネルもあります。これらが適正に処理されなければ、環境汚染につながり、温暖化対策が別の環境問題を引き起こすという、ちょっと笑えない展開になってしまいます。
今年5月に、環境省が使用済み太陽光パネルのリサイクル義務化に向けた検討を始めたようです。しっかりした制度ができるといいですね。
さて、太陽光発電協会による二日間のシンポジウムがありますので、ご案内します。
名称: 第39回太陽光発電シンポジウム(Web開催)「~脱炭素社会と地域共創を目指して~」
日時: 2022年11月9日(水)10:00~17:20、10日(木)10:00~16:30
会場: オンライン
主催: 一般社団法人 太陽光発電協会(JPEA)
参加費: 無料
主な内容:
◎プログラム1日目: 11月9日(水)
<セッション1/ご挨拶と基調講演・特別講演>
<セッション2/住宅用太陽光発電の普及策>
・「暖かく涼しく電気代も安心な暮らしをみんなに届けるために
~住宅屋根載せの太陽光発電の普及策を考える~」
・「住宅用太陽光発電システムの第3者保有モデルについて」(仮)
・「日産自動車のEV戦略と取組について」
<セッション3/地域脱炭素と地域共創を目指して>
・「太陽電池パネルの適正処理・リサイクルについて」(仮)
・「地域の脱炭素化に向けた当金庫の取組み」
・「地域の事業者の力をつむいで自然由来の新たな電源を生み出す
~地域金融機関としての新たなロールモデルの創出~」
・「のりくら高原『ゼロカーボンパーク』の具現化」
・「脱炭素を地域発展につなげる。再エネの受容性を高める。」
【パネル討議「地域脱炭素と地域共創を目指して」】
◎プログラム 2日目: 11月10日(木)
<セッション4/太陽光発電の主力電源化に向けた系統政策>
・「カーボンニュートラル実現に向けた系統利用ルールの見直し」
・「レベニューキャップ制度での配電ネットワークの強化、
IT化における太陽光発電導入拡大について」(仮)
・「九州エリアにおける再生可能エネルギー導入に向けた取組みについて」
<セッション5/長期安定化電源に向けた挑戦>
・「太陽光発電の長期安定化電源にむけて」
・「小規模太陽光発電の長期安定稼働のための集約化取組」(仮)
<セッション6/脱炭素社会に向けた自家消費とPPA事業の拡大>
・「リコーグループにおける脱炭素化の取り組み」(仮)
・「荏原グループのカーボンニュートラルに向けた取組」(仮)
【パネル討議「脱炭素社会に向けた自家消費とPPA事業の拡大」】
演目があるものだけをあげていますが、その他の講演および講演者についてはこちらの詳細をご覧ください。