「克雪」から「親雪」 その先へ

「雪の産業化」という言葉を初めて知りました。

南魚沼市の広報(2021年9月1日号)です。豪雪地帯の南魚沼では雪が処理に困る邪魔者で克服すべき相手であったため、「克雪」という認識がありました。やがて、ウィンタースポーツなど、生活の中で活用すべきという「利雪」。さらに、平成になって地域の産業に活用する「親雪」へと発想が変化してきました。この「親雪」から生まれたのが、「雪の産業化」で、雪を使った伝統的な「雪室(ゆきむろ)」を応用した冷蔵・冷房技術を産業に活用していこうという発想です。

南魚沼市内だけでもすでに11カ所の施設があり、日本酒、ワイン、米、野菜、肉などの商品の貯蔵や、事業所の冷房に使われています。

日本酒「八海山」で有名な八海醸造株式会社も南魚沼市にあり、1,000トンの雪を貯蔵できる施設を使ってお酒を熟成させています。

【冬の宝もの】雪をエネルギーとして活用する雪室とは(19:34から八海醸造の雪室)

雪室は電力を使わないので、脱炭素化という意味でも優れていますが、それだけではなく、冷蔵庫よりも食品への影響が少ないため鮮度が一定に保たれるというメリットもあります。

新潟県で行われている雪冷熱の利用については公益財団法人 新潟県環境保全事業団のサイトで「雪ルネッサンス新潟」としてまとめられています。こんなに利用されているのか、と少し驚きました。

さて、そんな南魚沼で行われるシンポジウムをご紹介します。以下、抜粋です。

国際大学スーパーグローバル大学創成支援事業シンポジウム
南魚沼から世界へ ~豊かに生きるまちづくりと未来の創造~

日時: 2022年8月24日(水)14:00~17:30
会場: 南魚沼市民会館/オンライン
主催: 国際大学
参加費: 無料
主な内容:
本シンポジウムでは『地域振興』『グローバル化』『多文化共生』『事業創発』というキーワードの下、産官学民よりさまざまな立場の方をお呼びし、その経験から学び、人々が豊かに生きるまちづくりについてみなさまと一緒に考えます。
・講演(1): 「南魚沼市がめざす持続的な開発と地域の未来」
 南魚沼市長 林茂男氏
・講演(2): 「デスティネーション・マーケティング」
 株式会社 Intheory代表取締役 村木智裕氏
・パネルディスカッション(1)
 「南魚沼の、南魚沼による、南魚沼のための地域課題解決」
・パネルディスカッション(2)
 「外国人の地域社会での活躍」

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