公開シンポ「木質バイオマスエネルギーの小規模利用に向けて」

森のキャンプで焚き火。ホー、ホー、とフクロウの声。パチッ、パチッと音を立てながら燃える炎をぼんやり眺める。そんなのんびりした時間を過ごせたら最高ですね。

Campfire & Starlight” by Martin Cathrae is licensed under CC BY-SA 2.0.

ひと昔前から思うと、木質バイオマス発電についてよく記事を見かけるようになりました。

とくに近頃は原油価格の高騰や急激な円安を受けて、輸入燃料に頼らない木質バイオマス発電に注目する向きもあります。

実際、その存在感は大きくなっています。日本木質バイオマスエネルギー協会によると、燃料として使われた木材チップと木質ペレット(間伐材・林地残材などに由来するもの)の量はこの10年くらいで約14倍に増加しています。

ひとくちに木質バイオマス発電と言っても、さまざまな形があります。いろいろな事例を見てみるのも面白いですね。

林野庁:木質バイオマスエネルギー利用 事例集

林野庁 木質バイオマスエネルギー利用 事例集 より

経済産業省の資料「持続可能な木質バイオマス発電について」(令和2年)を見ると、バイオマス発電に特徴的な課題として、燃料コストの問題が挙げられています。木質バイオマス発電所の原価のうち7割程が、燃料である木質チップの製造費ですが、このコストを低減していかなければ長期的に持続していくことが困難になるようです。とくに小規模で行う場合には採算がとれるようにするのが大変なようです。

森林・林業・木材産業などを総合的に研究する機関、 森林総合研究所(国立研究開発法人 森林研究・整備機構, FFPRI)の主催で公開シンポジウム「木質バイオマスエネルギーの小規模利用に向けて」が行われるので、ご案内します。

日時: 2022年7月6日(水)13:30~17:00
費用: 無料

主な内容は以下の通りです。
【基調講演】「持続可能な社会に向けた木質バイオマスエネルギー利用のあり方」
【成果報告(1)】「小規模利用向けの木質バイオマス燃料の供給体制」
【成果報告(2)】「小規模利用に適する木質バイオマス燃料の乾燥方法」
【成果報告(3)】「評価ツールを用いた小規模利用事業のシミュレーション」

詳しくはこちらをご覧ください。

●参考資料:
(1)「木質バイオマス発電の現状と要望」日本木質バイオマスエネルギー協会(令和3年)
(2)「持続可能な木質バイオマス発電について」経済産業省資源エネルギー庁(令和2年)