2009年に打ち上げられた小型人工衛星「まいど1号」は、東大阪を中心とした中小企業群が製造したということで大きな話題となりました。
東京にある(株)杉野ゴム化学工業所の杉野社長はそのニュースを見て、ならば我々は深海に挑戦するぞ、と動き出します。東京や千葉の中小企業群が中心となり、大学、金融機関、海洋研究開発機構(JAMSTEC)も巻き込んで、重りの力で海中に沈める海底観測装置「フリーフォール型ガラス球深海カメラ」を開発しました。それが「江戸っ子1号」です。
2013年には水深8,000mの海域での実験に成功。その後も「耐腐食型」「長期観測型」(365型)と進化し続け、様々な調査に利用されています。
海でのCO2貯留について、JAMSTECが「海のカーボンニュートラル新技術開発」という文書を出しています。(2022年1月 第6回グリーンイノベーション戦略推進会議ワーキンググループの資料)
この中の最後のページに「海洋玄武岩CCSに係る基礎調査と環境モニタリングのイメージ」という図があり、長期の観測装置としていくつもの「江戸っ子」が描かれています。脱炭素に向けて江戸っ子が活躍しそうです。期待したいですね。
ところで、海底にCO2を貯蔵するなんて、莫大な費用がかかりそうですが、そのあたりのお話が聞けそうなセミナーをご紹介します。
国立研究開発法人 科学技術振興機構 低炭素社会戦略センター(LCS)が主催する無料ウェビナー「2050年、ゼロエミッションの社会像~シナリオとプラン~」(6月24日)の中に、「水深4000m以深の海底下地層での液体二酸化炭素の貯蔵コスト」という講演があります。興味深いですね。
他にも面白そうな様々なトピックがあります。
・2050 ZC社会に向けたエネルギー供給体制とGDPの量的変化
・水素還元製鉄法の評価と課題
・DAC(Direct Air Capture)の方法とコスト
・情報化社会の進展がエネルギー消費に与える影響(データセンターについて)
・地域人口と世帯変化、および住宅選択を考慮した将来の地域エネルギー需要と建材需要の変化
-環境省家庭部門CO2排出実態調査の分析-
・新揚水発電の提案(日本における電力貯蔵システムとして)
詳細はこちらをご覧ください。