洋上風力発電 開発の課題と解決策

校風、風格、風呂、烈風…。「風の吹くまま気の向くまま」「風上に置けない」…。「風」を使った言葉って多いですね。「風と雲のことば辞典」(講談社)には、「風」にまつわる言葉が1,040語もあるそうです。風というのものがそれだけ身近だということでしょうね。

人類が風を利用し始めたのはいつ頃のことなんだろう、と思いながらネットを見ていたら、古い帆船の模型を見かけました。

帆船の模型
ミイラを運ぶ帆船の模型 紀元前1900-1885頃/The Metropolitan Museum of Art, New York

これは古代エジプトの英雄ジェフティ将軍のミイラを運ぶ帆船をモチーフにしていて、紀元前1900年から1885年頃に作られたそうです。カイロの近くにあるジェフティの墓から発掘されました。この帆船がどこに向かっていたのか。なぜこの模型を作ったのか。興味が尽きませんが、ともかくこの時代にはすでに帆船が活用されていたんですね。

海から世界史を眺めると、地中海貿易も、南太平洋の島々への人類の進出も、大航海時代も、「風」が歴史の駆動力になっていたように思えます。そして今また、風が重要なエネルギー源として私たちの社会を大きく変えようとしています。風力発電です。海に囲まれた日本ですから、洋上風力発電を普及させる潜在力は高いはずですが、まだまだ様々な課題があるようです。

洋上風力発電の開発に関する公開シンポジウムが日本学術会議の主催で行われます。以下、日本学術会議のサイトから抜粋します。

公開シンポジウム「活動的縁辺域における洋上風力開発に向けて」
日時: 令和4年6月3日(金)10:00~18:00
開催地: 日本学術会議講堂及びオンライン配信
参加費: 無料
概要: 政府は2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現をめざすと宣言している。風力発電については、現在年間約440万キロワットであるが、2030年に洋上風力だけで1千万キロワット、2050年には9千万キロワットにするとしている。この目標達成のために、再エネ海域利用法を施行し、気象、海象などの自然現象、港湾などの保全、漁業保全、海洋環境の保全などの条件を規定している。
しかし日本のような活動域縁辺域の浅海域には、液状化、海底地すべりなどの地質災害リスクがある。
そのため用地選定や設計のための地質災害リスク評価が必要となる。また津波、波浪の影響の評価も必要になる。洋上からの送電も課題となる。
本シンポジウムでは、活動縁辺域における洋上風力発電開発の課題を議論し、その解決策を議論する。

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