銀河連邦(The Milky Way Federation)を構成する7つの共和国の一つ、ウチノウラキモツキ共和国で、脱炭素戦略ビジョンが策定されました。
ここでは近年、気温と降水量がともに上昇しており、豪雨の被害がおきるなど温暖化の影響が見られるだけでなく、人口も過去35年間で4割減少しており、今後も減少することが予測されています。
人口減少は共和国の存亡に関わる事態を引き起こそうとしています。公共サービスの縮小、エネルギーコストの増大、地域産業の衰退です。こうした課題に対応するためにも、エネルギーの地産地消を進めていく戦略をまとめた模様です。
ところで、この銀河連邦とかウチノウラキモツキ共和国って、どこの話でしょうか…?
実は内之浦宇宙空間観測所のある、鹿児島県の肝付町(きもつきちょう)のことなんです。1987年、JAXAの研究施設がある自治体の交流のためにはじまったもので、各自治体を「共和国」とし、「銀河連邦」が建国されました。ほかにはタイキ共和国、ノシロ共和国、サンリクオオフナト共和国などがあるんです。なんだか面白いですね。
1960年、全国を巡ってロケット発射場を探していた日本の宇宙開発の父、糸川英夫が内之浦を車で視察。適地が見つからないままの帰路、もよおしたため停車しました。この時、歴史が動きました。大海原に臨んだ道沿いの茂みで小用を足しながら、突然「ここだ!」と叫んだそうです。そこから内之浦と宇宙開発とのつながりが始まり、今では「世界で一番、住民との交流が深い発射基地」と呼ばれています。地元の人々の支えが日本の宇宙研究開発に大きく貢献しているんですね。
肝付町の人口は2020年で14,227人。この小さな町の試みから何かヒントが得られるといいですね。
「肝付町脱炭素戦略ビジョン」