Xプライズ財団。以前、「民間による最初の月面無人探査」に成功したら賞金2,000万ドルを授与する、という壮大なコンテストを実施した団体として記憶されている方も多いと思います。人類の未来に必要な技術的革新を起こすことを目指して、「新型コロナウィルスの検査法」や「超低燃費の自動車」、「垂直離着陸ロケット」など、他にも様々なコンテストを開催してきました。
昨年2月に発表された新たなコンテストの賞金総額は、史上最高額の1億ドル。最高賞Grand Prizeの賞金を獲得できるのは1チームのみで、その金額はなんと5,000万ドルです。
4年間かけて二酸化炭素を回収・貯蔵する技術を競います。参加登録は昨年4月22日に開始されていましたが、今年2月15日から登録が再開されるそうです。
勝ち抜くためには、1年間に最低1,000トンを除去する能力や、回収した二酸化炭素を100年以上貯蔵できること、社会的な実行可能性、環境への配慮、将来的にはギガトン単位の回収につながるスケーラビリティを有するなど、様々な条件をクリアしなければなりません。
大学の研究グループ、高校生、スタートアップ、発明家、中小企業など、だれでも参加ができるので、世界中から様々な人々が参加しそうですね。
なお、これとは別枠で学生向けに設けられた「Student Award」の賞金総額500万ドルが、昨年11月に23のチームに授与され、技術をさらに発展させる資金となりました。国籍を見るとアメリカの他に中国、ドイツ、スペイン、オーストラリア、イギリス、カナダ、に加えてインドとケニアも出ています。
こちらのページでは各受賞者の紹介ビデオも見られます。
世界史を振り返ると、15世紀半ばから始まった大航海時代がありました。危険に満ちた命懸けの航海に乗り出した人々の大きな原動力は富の追求でしたが、その過程で人類の社会も技術も大きく発展しました。
この野心的なコンテストから、人類の未来を明るく変える技術が登場するかもしれませんね。