二酸化炭素に次ぐ温室効果ガスであるメタン。その収支は未だに不確かさに溢れています。2021年10月13日に配信しました「メタンの発生源についての研究結果」も、その現われです。
さて今回、ボストンでの天然ガス利用における大気へのメタン漏洩が、実際にはアメリカ合衆国環境保護庁による推測値(1.4%)の数倍にもなるという報告が出ました。
都市配管からの漏れを防ぐ努力にもかかわらず、8年余りの研究期間に亙って漏洩率は変わることなく、サプライチェーン全体では3.3%から4.7%になっているのだそうです。これだけのメタンが漏れているとなると、その温室効果は漏れずに使われて二酸化炭素となった分を上回ります。
「メタンの発生源についての研究結果」で触れましたように、メタン放出の責任を誰に帰属させるかは議論の真っ最中です。二酸化炭素の実質ゼロで満足していては、早晩あわてることになるでしょう。