生物地球化学的循環経路の向上と食料安全保障について

実質ゼロで大きな問題になるのは、他の様々な重要課題、たとえばSDGsとか資源・エネルギーとかとの両立です。10月27日付けニュース#5でお伝えしたオックスフォード大学出版局創刊の雑誌「Oxford Open Climate Change」から、光合成、土壌、炭化、風化のネッツを一体として食料安全保障との整合性を評価した論文一つを御紹介します。

植物による光合成で捕集した炭素を、土の中では土壌中有機炭素として貯留し、地上部分は炭にする;さらに玄武岩粉末による風化促進も組み合わせ、炭素隔離とあわせて栄養が放出され、土はアルカリ性を帯びる。この一石で何鳥にもなりそうな総合化ネッツを評価しています。

有効な生物地球化学的循環経路を向上させることで作物収量も高まり、大規模な炭素隔離に欠くことができない食料安全保障との両立が果たされるという内容です。