論文「2100年以降も見据えた気候変動研究・行動を」

地球システムと人間社会とは、まるで違った時間スケールをもっています。これが、地球環境問題を理解する困難さの一因でもあります。今回、「2100年までしか考えないのではだめだ。そんな調子では、2500年にアマゾンは不毛地帯となり、北米中西部は熱帯となり、インドは暑くて生きていられないよ」と主張する論文を御紹介します。

つまり、「気候の将来予測は2100年でとどまってはならない」ということです。2100年では、今生まれてきた人はまだ70代で存命であり、その子や孫の一生さえもカバーしていないというのです。

確かに、今の2100年ベンチマークは地球の時間スケールでは一瞬です。しかし他方で、人間にとっては長い時間です。

私たちは、この間、座して手をこまねいているわけではないでしょう。何が出来、何は出来ないのか。出来ることを実行するには、どのくらいの努力や連携が必要か。そして、それにかかる時間はどのくらいなのか。有限な資源とエネルギーが賦存された地球システムの中で考え実践する必要を再認識させてくれる論文です。