森林破壊の要因に、地域で木材を燃料に利用することがあります。料理の熱源も、その一つです。そこで、調理に木材を使わずに、作物の非可食部(例:トウモロコシやキャッサバの茎)を使い、さらに残り火がある内に少量の水で消化して燃えがらをバイオ炭(biochar)として利用し作物収量を高めようという教育ビデオがあります。これなら、木材燃焼による二酸化炭素排出も削減されます。肥料効果を高めるために、小便を燃え殻にひっかけることさえ勧めています!
バイオ炭は、もともと樹木を炭にして土壌改良材として利用しようという提案ですが、土壌改良剤として使える量の問題(scalability)、それに土壌に炭が留まる期間の問題(longevity)、さらに地表に撒かれた黒い炭が地表を暖めてしまう可能性などから、今一つ人気がありません。
このバイオ炭が特に途上国で有効なネッツになるという論文があります。都市の有機廃棄物を従来の処理法(埋め立て、たい肥化)と比較してバイオ炭が優れているというものです。
有機廃棄物の処理は、むしろ都市と農村が遠く離れた先進国で深刻です。YouTubeのビデオはアフリカで活用されるとのことですが、街路樹の剪定枝や芝刈り屑なども含め、先進国でも炭の利用を見直して欲しいものです。