7月7日(水) に配信しましたニュース「温暖化と雪氷圏の範囲についての全体論的評価」で、カナダのバンクーバー近郊の村リットンで最高気温が49.5℃になり、その後に起こった山火事で村の9割が焼失したことに触れました。
日本の梅雨前線の長期停滞ばかりか米欧の高気温も異常です。では、どれくらい異常なのでしょうか?
高温だけでなく、豪雨雪や干ばつ、異常低温など、いわゆる異常気象が一体どれくらい異常なのかを調べる方法は「イベント・アトリビューション」と呼ばれ、最近目覚ましく発展しています。
これに取り組んでいる国際研究グループ「ワールド・ウエザー・アトリビューション」が、今回の米国とカナダでの熱波は「現在の気候では千年に一回しか起こらないものだった」と発表しました。
ポートランド、シアトル、バンクーバーなどの都市を含む北米西海岸域について調べたら、既に産業革命以前よりも1.2℃温暖化が進んだ現在でさえ、今回の最高気温は1000年に一度のまれな出来事だったのだそうです。
さらに、「温暖化がなかったら起こらなかった。説明できない現象。一方、温暖化が進んで気温が現在より0.8℃上昇(産業革命前にくらべて2℃上昇)したら、5年から10年に一回の出来事になる。」とも述べています。
産業革命前にくらべて2℃の上昇は、このままでは、早ければ2040年代には実現すると予想されています。
次の世代に明るい未来を渡す。過去を変えてはならないが、未来は変えられる。早急な実質ゼロが望まれます。