少ない電力でAIを動かす

中国のAIスタートアップDeepSeekが発表した同名のAI”DeepSeek”(ディープシーク)が、これまでのAIに匹敵する性能を持ちながら、遥かに小さな計算資源・電力で稼働できるらしいということで、大きな話題、そして衝撃になっています。不明な点がいろいろあるようですが、もし事実なら、これまでAIの普及にともなって増加すると想定されていた将来の電力需要に大きな影響を与えそうです。少ない電力で同じことができるならいいですよね。

去年10月には、TDKと東北大学が消費電力をなんと100分の1にできる半導体素子を開発し、実用化に向けて連携することを発表しています。

TDK:スピントロニクス技術を用いたニューロモルフィック素子を開発、AI消費電力1/100可能なニューロモルフィックデバイスの実用化に向けてCEA及び東北大学と連携(2024年10月2日)

この発表の中では、「人間の脳はおよそ20Wで動作しており、現在使われているデジタルAI計算と比較して、より複雑な判断を行うことができる超低消費エネルギーデバイスと言えます」「脳で行っているような複雑な演算処理が低消費電力で可能となります」とされていて、改めて人間の脳ってすごいんだな、と思いましたが、ハードウェアでもソフトウェアでも、省電力化に向けた研究開発が進んでいますね。

さて、「低炭素社会実現のための社会シナリオ」をテーマにしたシンポジウムが開催されるのでご案内します。

名称: 2024年度 JST-低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業シンポジウム 
    ~カーボンニュートラル社会の実現に向けて~

日時: 2025年2月6日(木)13:00~6:15 
会場: 東京大学/オンライン 
主催: JST-低炭素社会実現のための社会シナリオ研究事業
   「カーボンニュートラル移行の加速に向けた総合知に基づく社会シナリオ」
「地域特性を活かし価値を創造する再エネ基盤社会への道筋 」
東京大学未来ビジョン研究センター持続可能な未来のための日本モデル相互比較
   プラットフォーム(JMIP)研究ユニット
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

本シンポジウムでは、カーボンニュートラル社会の実現を目指す杉山プロジェクトと本藤プロジェクトの二つの最先端研究プロジェクトを結集し、それぞれの研究プロジェクトにおいて、異なるアプローチからカーボンニュートラル社会に向けた革新的な知見を提供します。杉山プロジェクトは、定量的な科学技術評価に基づくシナリオ開発を中心に、複数の定性的シナリオ・ナラティブ(ストーリーライン)と統合評価モデルを組み合わせることで、加速的なカーボンニュートラルへの移行戦略を提案します。

一方、本藤プロジェクトでは、エネルギーシステムの費用効率的な脱炭素を目指すとともに、公平な便益の配分に関わる地域経済や産業・雇用構造への影響も踏まえ、再生可能エネルギー基盤社会に向けた道筋を明らかにします。

○開会挨拶
杉山正和 [東京大学先端科学技術研究センター 所長・教授]

○来賓挨拶
山口顕 [文部科学省研究開発局環境エネルギー課 課長]

○東京大学 / 杉山プロジェクト発表
杉山正和 [東京大学先端科学技術研究センター 所長・教授]
亀山康子 [東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授]
藤森真一郎 [京都大学大学院工学研究科 教授]
大友順一郎 [東京科学大学環境・社会理工学院 教授]
菊池康紀 [東京大学未来ビジョン研究センター 教授]

○横浜国立大学 / 本藤プロジェクト発表
本藤祐樹 [横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授]  
大槻貴司 [横浜国立大学大学院工学研究院 准教授]
森泉由恵 [横浜国立大学大学院環境情報研究院 研究員]
中野祐樹 [横浜国立大学大学院環境情報研究院 研究員]

○パネルディスカッション
パネリスト:
堅達京子 [NHKエンタープライズエグゼクティブプロデューサー、
     東京大学未来ビジョン研究センター客員研究員]
杉山正和 [東京大学先端科学技術研究センター 所長・教授]
本藤祐樹 [横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授]
モデレーター:
杉山昌広 [東京大学未来ビジョン研究センター 教授]

○講評
森俊介 [東京理科大学 名誉教授]

○閉会挨拶
本藤祐樹 [横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授]

詳しくはこちらをご覧ください。