昔、中国が唐だった時代に、張果老(ちょうかろう)という奇術を操る仙人がいました。白いロバに乗って長旅をしていましたが、休む時にはロバを紙のように折りたたんで巾箱(きんそう、布張りの小箱)にしまい、再び乗る時には水を吹きかけて元の姿に戻したそうです。その故事というか伝説が日本に伝わり、いつの間にか「巾箱」が「ひょうたん」になり、「白いロバ」が「駒(小馬)」に変化し、「ひょうたんから駒」ということわざとして定着したと言われています。いやぁ、この由来自体もなかなか意外ですね。
ところで、コケを使って産業廃液から金属を回収することに取り組んでいる会社があります。株式会社ジャパンモスファクトリーの井藤賀氏は、理化学研究所でコケ類の研究をしてきた研究者で、コケがさまざまな金属を吸着する性質に注目して環境改善に応用する道を探ってきました。
その中で見つけたのが、ヒョウタンゴケという世界中に広く分布している種類で、特にたき火や火災の焼け跡でもよく見られ、植木鉢に群生することもあるそうですから、まったく珍しいものではありません。このどこにでもあるようなコケが、なんと乾燥重量の10%ほどの金を蓄積し、鉛なら70%、プラチナでも数%回収できることが分かっています。ひょうたんから金。さ、さすがヒョウタン、と言わざるを得ません。まったくの偶然だとは思いますが、このコケをヒョウタンゴケと名付けた人もさぞ驚いているでしょうね。
このコケに関連した記事がありますので、参考になればと思います。
Industry Co-Creation: 二酸化炭素ガスを吸収して育ち、産業廃液から金属を回収する苔で地球環境の改善に挑む「ジャパンモスファクトリー」(ICC KYOTO 2021)【文字起こし版】
さて、一般廃棄物処理に関するシンポジウムが開催されるのでご案内します。
名称: 令和6年度一般廃棄物処理分野における資源循環・脱炭素化に係るシンポジウム
日時: 2025年2月3日(月)13:30~17:00
会場: 航空会館(港区)/オンライン
主催: 環境省
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
本シンポジウムは、第五次循環型社会形成推進基本計画の概要及び廃棄物処理施設整備計画における視点等の解説、一般廃棄物処理分野における資源循環及び脱炭素化に向けた施策や研究について御報告いただいたうえで、第五次循環型社会形成推進基本計画の概要及び廃棄物処理施設整備計画を踏まえた一般廃棄物処理分野における資源循環と脱炭素方策について、多角的視点から討議を行うものです。
開会の挨拶
学会会長 高岡 昌輝(京都大学大学院工学研究科 教授)
司会・進行
学会副会長 秩父 薫雅(㈱神鋼環境ソリューション)
「第五次循環型社会形成推進基本計画について」
近藤 亮太(環境省環境再生・資源循環局 総務課循環型社会推進室 室長)
「令和5年度に策定した廃棄物処理施設整備計画等について」
松﨑 裕司(環境省環境再生・資源循環局 廃棄物適正処理推進課 課長)
「ごみ処理広域化・集約化に関する動向と最適化の事例研究」
平井 康宏(京都大学環境安全保健機構環境管理部門 教授)
「資源循環・脱炭素化に向けた一般廃棄物処理システム指針の新たな役割」
大迫 政浩(国立研究開発法人国立環境研究所 フェロー)
「資源回収における自治体連携と再生プラスチック国内循環に向けた先端システムの開発状況について」
今井 麻美(株式会社富山環境整備イノベーション推進室 室長)
パネルディスカッション「一般廃棄物処理分野における資源循環・脱炭素化に係る展望と課題」
コーディネーター
酒井 伸一(公益財団法人京都高度技術研究所 副所長)
パネラー:<講演登壇者を予定>
閉会の挨拶
酒井 伸一(公益財団法人京都高度技術研究所 副所長)
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