ゾウも名前で呼び合っているらしいゾ

AI(人工知能)の要素の一つに「機械学習」があります。コンピューターに大量のデータを読み込ませて、その中に潜んでいるパターンや関係性を見つけ出し学習させて、新たなデータの分析・分類・判断に活用するものです。膨大で複雑すぎて人間では太刀打ちできないもの、あるいは途轍もなく時間がかかる解析作業を短期間で行えるようになります。AIは消費電力も大きく、昨今のエネルギー政策にも影響するほどですが、自然界についての理解を深めることにも大いに役立っています。

昨年6月にコロラド州立大学などの研究チームが「アフリカゾウがお互いを名前のようなもので呼び合っている」という研究結果を発表しました。

nature: African elephants address one another with individually specific name-like calls (2024年6月10日)

研究チームは、ケニアにある三つの国立公園で録音されたゾウの音声を機械学習を使って調べました。1980年代以降に各地で録音された様々なデータです。注目したのは、101頭のゾウが117頭の受け手側個体に向かって発した496回の呼びかけ音。ゾウといえば「パオー」という声を思い出しますが、様々な発声のなかには人間の耳では捉えられない低周波の音も含まれるし、その構造も複雑です。

「ゾウは特定の個体に呼びかけることもあるのではないか」ということは1970年代には研究者も気がついてはいたのですが、それを解析する術がありませんでした。この分析を可能にしたのが機械学習です。

今回の研究では、ゾウのコミュニケーションの一部が読み解けたに過ぎませんが、逆に動物たちのコミュニケーションについて、まだまだ知らないことばかりなのだということが分かって、とても興味深いですね。

さて、一般社団法人地球環境情報フォーラムが「生物多様性・気候変動と経済界の取り組み」というテーマでイベントを開催するのでご案内します。(「会員サロン」とされていますが、会員でない一般の方も参加できます)

名称: 地球環境情報フォーラム会員サロン2025「生物多様性・気候変動と経済界の取り組みービジネスの視点から環境問題を捉えるために必要不可欠なこととは?-」
   (会員以外も参加可能)
日時: 2025年1月20日(月)17:00~18:00 
会場: オンライン 
主催: 一般社団法人 地球環境情報フォーラム
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋

2024年10月及び11月に開催された「生物多様性条約(CBD)第16回締約国会議(COP16)」の結果を、皆様と一緒に確認します。環境問題に関連する、COPの重要な結果を踏まえた経済界の取り組みについて、ビジネスを推進するそれぞれの立場から考えたいと思います。 

講師:西堤 徹 一般社団法人地球環境情報フォーラム理事
・経団連自然保護協議会 アドバイザー
・経団連環境対策推進財団 監事
・日本自然保護協会(NACS-J)参与
・元 トヨタ自動車株式会社 環境部 担当部長
・元 経団連自然保護協議会 企画部会長

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