「メルトダウン」という言葉を自分が初めて聞いたのはいつだったのかなぁ、と思い出してみると、たぶんそれはアメリカ・ペンシルベニア州にあるスリーマイルアイランド原子力発電所2号機の事故でした。1979年3月28日。冷却水のポンプが停止して、誤った判断や操作も重なって結果的に炉内構造物が一部融解するに至った事故です。当時は子供だったので詳しいことは理解していませんでしたが、テレビのニュースを見ていて、”スリーマイルアイランド”という何となくロマンチックな響きのある地名と「なんだか大変なことが起きてるみたいだ」といういやな感じがマッチしなくて不思議な感じがしたのを覚えています。
時は流れ、この事故の影響を受けなかった1号機は2019年に営業運転を終了し、その後60年かけて廃炉される予定でした。しかし今年9月に電力会社コンステレーション・エナジーとマイクロソフトが電力購入契約を結んで、データセンター向けに20年間電力を供給するために2028年までに1号機を再稼働するとの発表がありました。
今年10月、グーグルが新興企業カイロス・パワーと契約して、小型モジュール炉(SMR)を2030年までに稼働させて電力を調達すると発表しました。また同月、アマゾン・ドット・コムもSMRを使った発電事業に5億ドル投資すると発表しました。
日本でも先月、宮城県の女川原子力発電所2号機を13年ぶりに再起動しました。
経済の発展を目指す限りは、これからも電力の需要は増すばかり。そんな中、原子力発電のメリット・デメリットは様々で、できればメリットだけを享受したいところですが、なかなかそう簡単ではありませんよね…。
さて、原子力発電に関するシンポジウムが開催されるのでご案内します。
名称: つるが国際シンポジウム2024
「原子力の未来 〜エネルギー確保、脱炭素化そして地域振興〜」
日時: 2024年11月22日(金)9:45〜17:10
2024年11月23日(土)10:00〜15:10
会場: 福井県若狭湾エネルギーセンター/オンライン
主催: 文部科学省
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
【11月22日】
○ 第1部 原子力利用に関する世界の潮流と国内の政策動向
基調講演:文部科学省、資源エネルギー庁、国際原子力機関(IAEA)
○ 第2部 原子力利用の状況と地域振興の取組み 〜海外の先進事例〜
講演:米国エネルギー省、EDFエナジー社(イギリス)、
EDF社(フランス)、スタズビック社(スウェーデン)
○ 第3部 原子力の役割と今後の展望、課題(パネルディスカッション1)
座長:原子力委員会
パネリスト:海外からの講演者、福井県 他
【11月23日】
○ 第4部 原子力発電にかかる電気事業者の取組みと地元自治体の振興施策
講演:関西電力、福井県、敦賀市
○ 第5部 地域資源を活かしたまちづくり 〜脱炭素社会への貢献〜(パネルディスカッション2)
座長:福井工業大学
パネリスト:勉強会参加者、第2部講演者、敦賀市 他
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