相対性理論で知られるアルベルト・アインシュタインは、こんな言葉も残しているそうです。「私は悲観主義者で正しくあるよりも、楽観主義者で愚かでありたい」と。
アインシュタインがこの言葉で伝えたいことの深いところは分かりませんが、「なんとかなるさ」と楽観的に考えることの大切さに触れているのではないかなと感じます。
気候変動について、「ネガティブなものばかりではない。ポジティブなティッピング・ポイントもあるよ」と語る大学教授がいます。エクセター大学グローバルシステム研究所のティム・レントン教授です。
レントン教授が主導するプロジェクト「グローバル・ティッピング・ポイント」は世界中の200名以上の研究者が支援しています。12月6日にCOP28で報告書(Global Tipping Points Report 2023)が公表されました。
Global Tipping Points
https://global-tipping-points.org/
太陽光発電、風力発電、電気自動車の普及においては、ポジティブ・ティッピング・ポイントに向かってしっかりと進んでいるとされています。
報告書には主な推奨事項(Key recommendations)として、前向きなティッピング・ポイントを作るために必要な今後のアクションを明らかにしています。
1.化石燃料と土地利用による排出量を今すぐ段階的に廃止する
2.適応と損失・損害のガバナンスを強化する
3.NDC(国が決定する貢献) とグローバル・ストックテイクにティッピング・ポイント含める
4.ポジティブ・ティッピング・ポイントを引き起こすための政策努力を調整する
5.ティッピング・ポイントに関する世界サミットを開催する
6.ティッピング・ポイントとその行動への移行について知識を深める
「まだまだ、ここから。できるはず」と思って前に進んでいきたいものですね。
さて、日独エネルギー・環境フォーラム(EEDF)が開催するイベントでは多岐にわたる分野の専門家が登壇します。さまざまな前向きな話が聞けそうです。
名称: 第13回日独エネルギー・環境フォーラム
日時: 2024年1月25日(木)09:00~17:00
2024年1月26日(金)09:15~12:50
会場: ステーションコンファレンス川崎(神奈川県川崎市)
主催: 日独エネルギー・環境フォーラム(EEDF)
参加費: 無料
主な内容: 下記HPより抜粋 (日独同時通訳あり)
・1月25日(木)
セッション1:
「気候変動対策に向けたサーキュラーエコノミーの実践における政治戦略」
このセッションでは議題「気候変動対策におけるサーキュラーエコノミーの活用」の概要と政治的側面について情報共有します。
セッション2:
「気候変動対策と循環経済の結びつき」
限りある資源の非持続可能な使用と二酸化炭素の排出は密接に関連しています。サーキュラーエコノミーの概念に沿いながら、気候変動対策と資源保護が連携したシナリオ、システム分析、
政策が喫緊に必要とされています。このセッションではドイツと日本の観点から、この関連性と業界の可能性について議論します。
セッション3:
「エネルギー転換技術におけるサーキュラーエコノミーの重要性」
ソーラーパネルや風力タービン、蓄電池や水電解装置など「エネルギー転換」に関連する技術や部品は、その多くが希少な鉱物や資源を必要としています。こうした資源の使用を減らすため、
今回のセッションでは、リサイクルや循環性を考慮したデザインなど、現在における技術開発や研究などの理解を深めることを目的としています。また、日独企業の優良事例や、資源の循環的な使用における産業界の視点も紹介します。
・1月26日(金)
セッション4:
「プラスチックの世界?リサイクル、再利用、代替素材のイノベーション 」
プラスチックの生産はここ数十年で飛躍的に増加し、膨大なエネルギーと資源を消費しています。本セッションでは、循環経済アプローチが、資源効率の向上と温室効果ガス排出量の削減にどのように貢献できるかを、循環型の設計や革新的なリサイクル技術、高機能バイオベース材料などの技術やプロジェクト例を用いて紹介します。
セッション 5:
「サーキュラーエコノミーの成功要因となるデジタル化とITソリューション」
デジタル化はさまざまな形でサーキュラーエコノミーに貢献することが可能です。このセクションでは、工業生産や建築分野、農業などにおける、資源効率を高め、サーキュラーエコノミーのための、デジタル / IT / IoT / AI /ブロックチェーンなどのプロジェクトや技術例を紹介します。
詳しくはこちらをご覧ください。
概要:https://gj-eedf.org/ja
プログラム:https://gj-eedf.org/ja/programme2024