時々、公園にある鉄棒で懸垂をしているんですが、今朝ちょっとした驚きがありました。
長い間、いつも順手で握っていて「うーん、アゴまで引き上げるのって、なかなか大変だな…。子供の頃はもっとできていたのにな…」と思っていたんです。ところが今朝、何気なく逆手でやったら軽々とアゴまで上がるではありませんか。「あれ?」と思って、今度はいつもの順手で試したところ、やはりアゴまで上げるのはきつい。また逆手に戻したら、楽々アゴまで上がる。なぜだろう、と思ったのと同時に、良く考えたら、子供の頃、懸垂するときはほとんど逆手でやっていたという記憶がだんだん蘇ってきました。
大人になって懸垂なんてやらない時期が長かったから、こんなことも忘れちゃっていたんですね。やり方を思い出したら、問題なくできるってことが分かったんです。自分に呆れてしまうと同時に、なんだか朝からすごく得した気分になりました。
そして、最近よく言われる「グリーンインフラ」も、どこかこれに似ている気がしました。国土交通省がこの9月に「グリーンインフラ推進戦略2023」を公表しました。
国土交通省:「グリーンインフラ推進戦略2023」
その中に、武田信玄が作った「信玄堤」や、加藤清正が作った「鼻ぐり井手」など、自然の仕組みを利用した災害予防策が出てきます。つまり、昔からこうした知恵はあったわけです。近代化が進むにつれて人間の暮らしと自然の営みとの距離がだんだん広がってしまい、自然の力をうまく使うという発想が失われていったのかもしれませんね。
先人が残した知恵を、現代に新しい形で蘇らせる。グリーンインフラ推進への取り組みには、こんな側面もあるような気がします。「あれ、昔はこんなこともできてたんだ。なんだ、忘れてただけじゃん」ということも多いような気がします。
グリーンインフラに関するシンポジウムが開催されますので、ご案内します。
名称: 名古屋大学フューチャー・アース研究センター公開シンポジウム2023
世界で進むグリーンインフラ
日時: 2023年12月9日(土)13:15~17:00
会場: 名古屋大学/オンライン
共催: 名古屋大学大学院生命農学研究科、岐阜大学流域圏科学研究センター、
名古屋大学宇宙地球環境研究所
参加費: 無料
主な内容:下記HPより抜粋
挨拶:檜山 哲哉 教授 名古屋大学宇宙地球環境研究所、
名古屋大学フューチャー・アース研究センター長
・第一部
趣旨説明: 福島 和彦 教授 名古屋大学大学院生命農学研究科、
名古屋大学フューチャー・アース研究副センター長
「グリーンインフラとしての森と水」
五味 高志 教授 名古屋大学大学院生命農学研究科
「川から見た森ー森林グリーンインフラは流域治水の希望となるか」
原田 守啓 准教授 岐阜大学流域圏科学研究センター
「木材はまちを創るグリーンインフラ」
山崎 真理子 教授 名古屋大学大学院生命農学研究科 ※崎は正しくは「立つサキ」
「そこから測るグリーンインフラ」
山本 一清 教授 名古屋大学大学院生命農学研究科
「グリーンインフラを進める仕掛け」
岩永 青史 准教授 名古屋大学大学院生命農学研究科
・第二部 パネルディスカッション
パネリスト:
木平 英一 代表 合同会社 ラーチアンドパイン
上記講演者
モデレーター:
原田 一宏 教授 名古屋大学大学院生命農学研究科
福島 和彦
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