新渡戸稲造とフィンランド

1899年にアメリカで”Bushido:The Soul of Japan”が刊行されました。のちに日本語に翻訳されて「武士道」として出版されます。著者は新渡戸稲造。教育者・思想家として数々の業績を残した人物で、五千円札にその肖像が描かれています。

1920年に国際連盟が設立された時には、すでに国際的にも高名だった新渡戸は事務次長に選ばれました。彼がその任期中に成し遂げた仕事のひとつに「オーランド諸島帰属問題」の解決がありました。オーランド諸島はフィンランドとスウェーデンの間、バルト海に浮かぶ6,500以上の島々です。

当時、この諸島の帰属をめぐってスウェーデンと、1917年にロシアから独立したばかりのフィンランドとの間に緊張が高まっていましたが、両国はこの問題の解決を国際連盟の裁定に託します。新渡戸は事務次長としてこの問題の解決に尽力し、住民のほとんどがスウェーデン系であるこの地域の人々に広範な自治権を確約する一方で、その帰属をフィンランドに認める裁定を下しました。

その後、現在に至るまでオーランド諸島はフィンランドの自治領であり続けているところをみると、当時の裁定は両者の懸念にうまく応えたものだったようです。日本とフィンランドの間のちょっとした歴史の一コマですが、遠い国の平和に日本人が少しでも貢献したのは嬉しいですね。

さてフィンランドは現在、環境先進国として知られていますし、SDGs達成度でも世界一位です。
Sustainable Development Report

どんな取り組みが行われているのでしょうか。フィンランドの官民連携組織ヘルシンキパートナーズやヘルシンキ大学などの方々を招いたイベントが行われるので、ご案内します。

名称: 持続可能な脱炭素社会に向けて ~世界をリードする北欧の先進事例から学ぶ~ 
日時: 2023年11月9日(木)15:00~17:00 
会場: 大名ガーデンシティ(福岡市)
主催: 福岡地域戦略推進協議会、福岡市環境局
参加費: 無料 

主な内容:下記HPより抜粋 

福岡地域戦略推進協議会(FDC)は、2019年よりフィンランドの官民連携組織Helsinki Partners(ヘルシンキビジネスパートナーズ)と連携協定を締結。ヘルシンキ都市圏と福岡の組織・事業者間の友好関係と連携を深め、ビジネス機会や事業を創出することを目的に、情報交換や共同プロジェクトの推進など様々な活動を進めてきました。今回はこの連携事業の一環として、開催するものです。

・挨拶 FDCシニアフェロー 平山雄太
・ヘルシンキ取り組み紹介  Helsinki Partnersシニアアドバイザー Sonja Malin
・トークセッション「北欧ヘルシンキにおける脱炭素の取り組み」
 モデレーター:
 FDCシニアフェロー 平山雄太
 Helsinki Partnersディレクター Johanna Huurre
 
 登壇者:
 フィンランド大使館商務部 志垣 圭氏
 フィンランド国立技術研究センターVTT Tommi Suni氏
 ヘルシンキ大学インキュベーターズ Mikael Malmivaara氏
 三社電機製作所ヘルシンキ支店 田代賢吾氏

・事例紹介
(1)「AIxESGの挑戦、脱炭素社会のその先へ」  株式会社aiESG 篠原宣道氏
(2)「西日本シティ銀行における融資サポートによる脱炭素支援」 西日本シティ銀行 比嘉慎二氏

・質疑応答
・挨拶 福岡市環境局脱炭素社会推進部部長 栗秋寛哉

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