徳川家康は、海苔の歴史においても大きな存在だったようです。家康は海苔が大好きだったので、その家康に新鮮な海苔を献上するために品川や大森あたりの東京湾で海苔の養殖が始まったと言われています。そして幕府は、献上された海苔を市場で売り、財源としたのだそうです。これをきっかけにして海苔が江戸の特産品になり、庶民にも親しまれるようになったそうです。今では一般的な、四角い「板海苔」が生まれたのは江戸中期だそうです。
その海苔が、今シーズンは大変な不作で、価格が暴騰しています。全国の生産量の6割を占める有明海で歴史的な不作が起こってしまい、生産量が激減しているためです。
原因としては、
・赤潮(海の栄養分をプランクトンが奪ってしまう)
・雨の不足(山の栄養分が十分に海に運び込まれない)
という点の他に、暖冬によって海水温が高かったことが挙げられています。
近年、温暖化の影響で海水温が下がる時期が遅くなっており、海苔の養殖が行える期間が短くなってしまい、それが生産量の減少につながっているのだそうです。
かなり前から高水温にも耐えられる品種の開発が各地で行われており、
「ちばの輝き」(千葉県、2021年)
「あゆち黒誉(くろほま)れ」(愛知県、2013年)
「みえのあかり」(三重県、2010年)
などの品種が開発されてきました。佐賀県有明水産振興センターでも、温暖化に対応した品種の開発を昨年度に始めています。
今回の海苔の不作は水温だけが原因ではありませんが、このような事態のとき、海苔が大好きな家康だったらどうするでしょうかね。ちょっと聞いてみたいところではあります。
さて、気候変動やプラスチック汚染で大きく環境が変化している海をどう守っていくかについてのフォーラムがあるので、ご案内します。CENの会長、更家悠介も登壇します。
名称: NIKKEIブルーオーシャン・フォーラム
『産官学で取り組む海洋保全(仮)』
日時: 2023年5月10日(水)10:00~17:15
会場: 日経ホール/オンライン
主催: 日本経済新聞社 日経BP
参加費: 無料
主な内容:(下記HPより抜粋)
・基調対談:角南 篤 氏/笹川平和財団 理事長
・パネル討論「海洋プラスチック課題の最前線~対馬の現状と企業が果たすべき役割」
更家 悠介 氏/サラヤ 代表取締役社長、ZERIジャパン理事長
清野 聡子 氏/九州大学大学院工学研究院環境社会部門 准教授
モデレーター:小宮 信彦 氏/電通 シニア・イノベーション・ディレクター/事業構想大学院大学 特任教授
・パネル討論「ブルーカーボン/Jブルークレジット」
モデレーター:渡邉 敦 氏/笹川平和財団 海洋政策研究所 上席研究員
・パネル討論「サステナブルな水産資源」
モデレーター:花岡 和佳男 氏/シーフードレガシー 代表取締役社長
・パネル討論「日本に期待される役割/途上国支援・リーダーシップ」
本多 俊一 氏/国連環境計画(UNEP)国際環境技術センター プログラムオフィサー
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