たとえば「氷河や極地の氷」あるいは「熱帯雨林での生物の暮らし(生態系)」などなど。自然は微妙なバランスの上で成り立っています。このそれぞれのバランスが崩れ、取り返しがつかなくなる境い目「ティッピング・ポイント」について、今年2021年の6月16日に、将棋倒しが起きるかもしれないという論文を御紹介しています。
2021年3月17日にお知らせしたメキシコ湾流については、ティッピングポイント越えの予兆が8つの指標で出ているそうです。
ティッピングポイント研究の最大の難点は、実験ができないことにあります。それぞれのバランスについて「ティッピングポイントがどこにあるのか」、「そこに到達する予兆は何か」、「ポイントを越えた後はどうなったか」、などについて知る手がかりは過去の事例です。
温故知新。過去の気候変動前後に何が起きていたのか、それらに関連はあったのか、こういった知見を集積することで、現在と未来について信頼性高く知ることができるようになります。その観点で、過去3万年の急激な気候変化の記録を振り返って予兆となる指標や早期の警戒信号の研究が報告されています。