レース・フォー・ウォーター号から”ポリマ号”へ 新たな航海の始まり

この度、レース・フォー・ウォーター財団は、このコロナ禍の影響を受け、レース・フォー・ウォーター号で世界を巡る”オデッセイ2017-21”プロジェクトの継続が困難と判断し、残念ながらその中断を決定致しました。
 
これまで再生可能エネルギーだけで世界を航海してプラスチック海洋汚染について啓発活動を行なってきたこの船は、当団体の特別顧問グンター・パウリの主導の下で”ポリマ号”という新たな名前を得て、新しい航海プロジェクトに乗り出すこととなりました。

新たなプロジェクトでは、持続可能な経済モデル「ブルーエコノミー」を可能にする革新的技術やビジネスモデル「ブルー・イノベーション」を世界に向けて発信していきます。

このプロジェクトは「ポリマ号のブルー・イノベーション〜現実を帰る起業家たち〜」として、大阪・関西万博の「TEAM EXPO 2025」プログラムの共創チャレンジに登録しました。詳細はこちらをご覧ください。
https://www.expo2025.or.jp/team/report/2021-03-09-1420/

新たな航海においても、皆様のご支援を頂ければ幸いです。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

以下、レース・フォー・ウォーター財団の公式サイトに掲載された報告の概要です。
—————————————————–
レース・フォー・ウォーター号の新しい所有者 [2021年3月1日付け]

2020年はレース・フォー・ウォーター・オデッセイ2017-21にとって、まさに”津波”でした。COVID-19の世界的感染拡大による保健上の制限のせいで財団の野外活動の大部分は停止され、財政に影響を与えました。

この、異常事態のなかで、財団は解決策を模索しました。

本日、マルコ・シメオーニは、責任ある持続可能な世界の価値観とビジョンを維持しながら、新しい形でオデッセイ(長期航海)の継続を発表できることを嬉しく思います。グンター・パウリ教授のリーダーシップの下、スイスの団体”ポリマ”がこの船の新しい所有者になりました。 “ポリマ”とは、古代ローマにおける未来の女神で妊婦を守護する神の名に由来しており、それが船の新たな名称にもなります。

マルコとグンターは共に、社会を変革する必要があると考えています。私たちの生産と消費は現状のまま継続することはできず、新たなモデルが、ーそれはビジネスモデルを含みますがー、必要です。レース・フォー・ウォーター財団(R4W財団)は、プラスチックによる海洋汚染との戦いを継続すると同時に、再生可能エネルギーの導入を加速すべく強力な戦略に着手している”ポリマ”プロジェクトの開発に貢献します。それはR4Wがすでに使用を始めていたソーラー、パワーカイト技術、水素モビリティであり、これに、海洋のナノ粒子を除去するためのバイオミメティクスやその他多くの新しい技術をそのポートフォリオに追加しています。

この船の使命の一貫性を確認するために、2021年3月、マルコとグンターは共同で「プラスチック・ソリューション」の最新版を出版しました。これは科学と起業家のコラボレーションによって開発・検証された一連の具体的ステップをまとめたものです。

マルコ・シメオーニより
「この4年間、この素晴らしい船は、私たちが地上に上陸し、世界の海を航海し、海洋のプラスチック汚染に対して具体的な行動を取ることを可能にしました。このオデッセイは、私たちの懸念の焦点となる重要な使命です。今日、私はこのユニークな船を”ポリマ”とそのパートナーに引き渡し、この素晴らしいタイムマシンが人々の意識を高め、実際に見せて示し、人々にインスピレーションを与える旅を続けられることを光栄に思います。また、財団内のすべてのスタッフが素晴らしい仕事を成し遂げてくれたことに感謝します。ありがとうございました。」
—————————————————–
[原文はこちら] 
https://www.raceforwater.org/en/news/a-new-shipowner-for-the-race-for-water-vessel/